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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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河野氏敗北でまたも苦杯 「保守」から嫌われた石破茂氏の「次」

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インタビューに答える自民党元幹事長の石破茂さん=東京都千代田区の衆院第2議員会館で2021年10月7日、藤井太郎撮影
インタビューに答える自民党元幹事長の石破茂さん=東京都千代田区の衆院第2議員会館で2021年10月7日、藤井太郎撮影

 どうにも気になる。自民党の石破茂元幹事長。総裁選に挑んでは敗れ続け、今回も改革派の同志・河野太郎氏を担いだが、安倍晋三、高市早苗両氏の支持者や応援団のような言論人から河野氏ともども攻撃され、またも苦杯である。衆院選が目前に迫る中、敗軍に何を思うのか。【吉井理記】

派閥起用ゼロ、新内閣でも続く冬

 「いやね、私も人間です。疲れますよ。むなしくもなる。日本は危機的な状況にあるのに、こんなことをしていていいのか、とね……」

 ふう、と長いため息をついて、衆院議員会館の事務所のアームチェアにどっかと体を沈めた石破さんである。過去の総裁選後にもインタビューを試みてきた。敗れてなお、声に力があった。さすがに今回は力を落としたか。

 小泉進次郎氏、石破さん、河野氏。「次の首相にふさわしい候補」の上位3人が団結し「小石河連合」と持ち上げられたのも今は昔。何せ河野氏の敗北後、自身が率いる17人の派閥「水月会」から2人が退会し、しかも岸田文雄新内閣への派閥メンバーの入閣や党要職への起用はゼロ。季節は巡っても、石破さんたちの冬は続く。同志・河野氏からして外相、防衛相など要職を歴任してきたのに党広報本部長に追いやられた。事実上の「座敷牢(ろう)」である。

 「降格だ、見せしめだ、という見方があるようですね。総務会長には当選3回の福田達夫さんが就任した。福田さん自身は立派な人物で適任だと思うが、(当選4回で河野さんを支持した)小泉さんへの当てつけ人事だ、という声も聞く。本当のところは分からない。ですが、総裁選で民意を最も反映する党員票では河野さんがトップでした。人事に民意を反映させるのはとても大事なことのはずですが……」

 「過ぎたことを言うのは潔くない」と前置きしながらも、ついつい恨み節にもなる。確かに岸田氏が繰り返した「分断から協調へ」はどこへやら、党内ですら分断が深まっている感じ。そこを有権者にも見透かされたか、毎日新聞などの世論調査(4、5日実施)では岸田内閣の支持率は49%。船出したばかりなのに、今一つである。

 「岸田首相のカラーをいかに出すか、ということで腐心されたのだと思います。ですが、衆院選が迫る中、党員に『自分たちの意思と違うことをしても、選挙では結局は自民党に投票するだろう、というおごりがある』と受け取られたら、それは大変怖いことです」

 野党がもう少し自民党と肩を並べれば、また違った形になったと思うのだがどうだろう。

自称「保守」から憎まれ失速

 別の力学も働いた。当初は優勢と見られ…

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【第49回衆院選】

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