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「保育園落ちた日本死ね」から5年の現実 待機児童は減った?

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「子どもにとっての保育をもっと考えてほしい」と訴える「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さん=東京都豊島区で2021年9月24日午後3時42分、谷本仁美撮影
「子どもにとっての保育をもっと考えてほしい」と訴える「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さん=東京都豊島区で2021年9月24日午後3時42分、谷本仁美撮影

 保育園への入所選考に落ちた母親が「保育園落ちた日本死ね!!!」と怒りをぶちまけたブログが世の中の共感を集めたのは2016年2月。その後、待機児童問題が大きくクローズアップされ、歴代首相が「解消を目指す」と強調してきたものの、解決したのだろうか。首都圏を中心に全国100市区の保育施策について独自に調査し、提言を続けている「保育園を考える親の会」代表の普光院亜紀さんに聞いた。【谷本仁美】

「保育園を考える親の会」代表・普光院亜紀さん

 国が発表した4月1日時点の全国の待機児童数は5634人で昨年の半分以下となりました。新規入園を申し込み、認可園に決まった子どもは8割に達し、改善傾向を見せています。ただ、国の待機児童数は「認可園を申し込みながら入れなかった子どもの数」ではないのです。

 認可外に入園したり、自宅から遠い認可・認可外を自治体から勧められて断ったりした場合は、待機児童として扱われません。保育園を考える親の会の計算では、認可園を申し込みながら入れなかった子の数は、国の発表する待機児童数の15・3倍にあたる8万6095人に上ります。首都圏や政令指定都市100市区では27倍の4万1073人と、都市部ではより隔たりが大きくなっています。

 また待機児童数は、最も入園しやすい4月1日時点の数字で、その後、年度途中にかけて待機児童が増えていきます。年度途中の入園が難しいため、4月に0歳児後半になるようバースコントロールする母親もいます。

 年に1回しか預けるチャンスがないのは、人間の妊娠、出産のプロセスから考えて不自然です。いつでも安心して子どもを産める状態にしてほしいです。年度途中の入園を想定して定員を空けておくことは、経営的に難しい面もあり、ある程度保育士にゆとりを持たせても経営が維持できるような行政の支援が必要です。

 待機児童問題は、数だけをみても「解決した」とは言えません。子ども・子育て支援法は、市町村に保育サービスを整備する責任があると定めています。自治体の整備と保護者らのニーズがかみ合っていない恐れもあり、待機児童数を過小評価せず、実情を調査すべきではないでしょうか。

保育は子どものためのもの

 それでも、待機児童数は減少傾向にあります。新型コロナウイルス感染を恐れた利用控えはあるものの、少子化が進み、需要と供給のバランスが取れてきたのは…

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