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箱根駅伝に「R」復活を 立教大を率いるのはあの名ランナー

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選手に声をかける立大の上野裕一郎監督(中央奥)=埼玉県新座市で2021年10月13日、西夏生撮影
選手に声をかける立大の上野裕一郎監督(中央奥)=埼玉県新座市で2021年10月13日、西夏生撮影

 大学3大駅伝の一つ、箱根駅伝の季節が近づいてきた。東京・大手町のスタートラインに立てるのは、シード権を持つ10校を除けば、41校による23日の予選会を突破した10校のみ。ユリの紋章をシンボルとし、紫のスクールカラーに「R」の一文字が光る立教大は、本大会への復活プロジェクトを進めている。54年ぶりの出場を狙うチームを率いるのは、かつて中大で箱根路を沸かせた名ランナーだ。

 冷たい雨が打ち付ける中、水を踏む音がトラックに響く。箱根駅伝予選会が間近に迫った10月中旬、立大陸上部の男子駅伝チームは総仕上げに入ろうとしていた。「意識を高く持って」「どんなコンディションでも試合はやってくるよ」。選手に声を掛けていたのは、長身の上野裕一郎監督(36)だ。

 細身の体形を保ち、今も現役のトップランナーでもある上野監督は、長野県出身。両角速(もろずみ・はやし)監督(現東海大長距離・駅伝監督)が指導する地元の佐久長聖高で実力を磨き、大学駅伝の名門・中大では4年連続で箱根駅伝に出場。優勝は果たせなかったが、3年生だった2007年の第83回大会は3区で9人抜きし区間賞にも輝いた。卒業後はエスビー食品でも活躍し、09年日本選手権では1500メートルと5000メートルで2冠。世界選手権にも出場した。13年からDeNAに移籍し、18年12月に立大監督に就任した。

「寝耳に水」の150周年事業

 その1カ月前、立大は24年の創立150周年に向けた記念事業「立教箱根駅伝2024」を公表した。通算27回出場の伝統校ながら、1968年の第44回大会を最後に出場から遠ざかる。24年の第100回大会出場へ強化に本腰を入れようとしていた立大に、当時33歳だった上野監督は自ら「立候補」した。当時をこう回想する。

 「ちょうど次のキャリアを考え始めていた時期だった。陸上だけを本気でできるのって十数年。しかも30歳を超えると、体の状態も良くない。良いタイミングで、立大の林(英明)長距離コーチから『監督を探している』という話を聞いた。もちろん立大が最近、箱根駅伝に出ていないのは…

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