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東海大相模高(神奈川)の野球部前監督、門馬敬治(もんまけいじ)さんが9月30日付で同校を退職した。今春の選抜高校野球大会を制したが、今夏限りで監督を退任し、同校の社会科教諭もやめた。最後の夏は、部内で新型コロナウイルスの集団感染が発生し、神奈川大会の準々決勝を前に出場を辞退。51歳の門馬さんはいま、何を思うのか。「もう一回。まだ終わっていない」。重い口を開いた。【山本浩資】
「勝っても負けても怒られた」
「チームは非常に順調で手応えはありました。それだけにコロナが怖かった。今年1月5日にチームが始まってから、選手への毎朝の検温は私がやっていました。体調はどうか、味覚はあるか。選手一人一人の記録をつけた紙は束のようになりました。7カ月分。もう必要なくなったので、燃やしましたけどね」
門馬さんは無念の表情を浮かべ、そう振り返った。
今春のセンバツ優勝校を襲った悲劇。神奈川県高野連は7月24日、東海大相模が、全国高校野球選手権神奈川大会で同日行われる予定だった準々決勝の出場を辞退したと発表した。大会登録メンバー20人のうち17人と他の部員4人、指導者1人の計22人が新型コロナに感染した。
「部員の1人に熱が出て病院に行ったら熱中症と診断されました。点滴を打つので別の病院に行ってコロナの検査をしたら陽性が出た。もう1回検査したらそれが陰性だったんです。その時はどっちなんだと。でもその後、何人かに熱が出たので全員検査することを決めました。そしたらバッと出ちゃって。追いつかなかった」
部活動は停止となり、保健所とのやり取りは、監督自ら対応した。8月12日に新チームが始まるまで、選手には無料通信アプリ「LINE(ライン)」で朝昼晩、体温と体調を報告させた。妻七美枝さん(53)と二人で、寮に残った選手の食事など身の回りの世話を何から何まで続けた。7月22日の5回戦で勝利した試合を最後に、ユニホームは着ていない。
「集まれないのでミーティングもしていません。会えていない3年生も…
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