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まいにちボードゲーム

日本ではゲームといえばテレビやスマホがメインですが、近年、対面で行う非電源ゲームも注目を集めています。人気のボードゲーム・カードゲームを紹介します。

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アクションゲームで童心に帰る

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サイコロの出目の色のスティックをそっと抜いていく「スティッキー」 拡大
サイコロの出目の色のスティックをそっと抜いていく「スティッキー」

 筆者はウンウンうなりながら脳みそを絞る複雑なゲームが好き(得意ではありません)なのですが、たまにはアクションゲームで童心に帰るのも悪くありません。手先の器用さが勝負を分けるアクションゲーム。おもちゃなのかボードゲームなのか線引きが難しいところですが、駆け引き要素のあるルールが入っていればボードゲームなのかなと考えています。まずは手軽な3作品から。

インテリアにもなりそうな「スティッキー」

黄色い箱が特徴のハバ社の作品。素材や安全性に強くこだわっている 拡大
黄色い箱が特徴のハバ社の作品。素材や安全性に強くこだわっている

 子供向けの木製おもちゃ、ゲーム、家具で有名な独ハバ社。同社の代表作の一つが「スティッキー」です。3色の木のスティックをリングに入れてひねって立たせます。サイコロの出目で指定されたスティックをそーっと抜いて崩れなければ自分のものに。崩れてリングが落ちてしまった時点で終了し、崩したプレーヤーは負け。残りの人は獲得したスティックで点数を競います。見た目通りのルールなのですが、ちょっとひねりがあります。

 よく見るとスティックの太さは色で違っています。青色が一番太く、黄色が最も細い。獲得したスティックは太い順に3点、2点、1点。さらに「これを抜いたら崩れるのは必至」と思ったら、それまで獲得した同じ色のスティックを箱に戻せばパスできるのです。このスパイスが意外と効いていて、手先の器用さだけでは勝負が決まらないのです。

サイコロでおはじき「タンブリンダイス」

サイコロを使ったおはじきゲーム「タンブリンダイス」。はじき出したりはじき出されたり 拡大
サイコロを使ったおはじきゲーム「タンブリンダイス」。はじき出したりはじき出されたり

 次もルール説明はほぼ不要の「タンブリンダイス」。手番になったら階段状のボードに自分の色のサイコロ1個を投げ入れます。この際、最上段の青い部分でバウンドさせる必要があり、最上段からおはじきの要領で指ではじいてもOK。順に投げ入れて4個のサイコロがなくなれば点数計算。サイコロの出目に止まった段の倍数を掛けた数を足していきます。一番狭い最下段は4倍なので6の目のサイコロが止まれば24点というわけです。ボードから落ちたサイコロは0点、スタート地点でチョロしてしまったら出目掛けるマイナス1点。

 他プレーヤーのサイコロをはじき出しても構いません。やってみると見た目より難しく、最下段の4倍ゾーンを狙うとだいたいオーバーして0点に。出目は運次第ですが、他プレーヤーのサイコロに当てて勢いをそらすなどやればやるほどテクニックが向上する競技性の高い作品だと感じました。

ビヨヨーンと虫捕獲「ひっつきカメレオン」

粘着性のあるカメレオンの舌で虫をうまく捕まえたい「ひっつきカメレオン」 拡大
粘着性のあるカメレオンの舌で虫をうまく捕まえたい「ひっつきカメレオン」

 プレーヤーは大家族に生まれた若いカメレオン。ん?となりますが「ひっつきカメレオン」の説明書にそう書いてあるんです。食事の時間はみんなで競争して舌を伸ばし、ごちそうの虫を奪い合います。

サイコロを振って、今回のターゲットは黄色いトンボに 拡大
サイコロを振って、今回のターゲットは黄色いトンボに
赤いカメレオンの舌でターゲットの虫を捕獲できるか。舌にくっつくと失敗になる黒いスズメバチには要注意 拡大
赤いカメレオンの舌でターゲットの虫を捕獲できるか。舌にくっつくと失敗になる黒いスズメバチには要注意

 虫が描かれたタイルをテーブルに広げたらゲームスタート。サイコロを振ってターゲットとなる虫の種類と色が決まったら、一斉に手にした赤いカメレオンの舌を伸ばして虫をキャッチ。一緒に黒いスズメバチのタイルがひっつくと失敗です。目標の虫タイルを5回捕獲できれば勝利します。

 単なるかるた取りなのですが、特筆すべきはカメレオンの舌。粘着性、伸縮性に富んだビニール素材で、変形しながらビヨヨーンと伸びてピタッとひっつくのです。この動きが面白くて面白くて。いい大人が笑いながらも熱くなってしまいます。百人一首もこのカメレオンの舌でやれば盛り上がるかも。テーマをクトゥルフ神話(米国のホラー小説に出てくる神話体系)に置き換え、舌が触手になった「ひっつきクトゥルフ」という別バージョンもあります。

最高の鉄板焼き料理人を目指す「ヒバチ」

鉄板焼きがテーマの「ヒバチ(Hibachi)」 拡大
鉄板焼きがテーマの「ヒバチ(Hibachi)」

 最後に紹介する「ヒバチ(Hibachi)」は、競りとアクションをからめた戦略性の高い本格なボードゲーム。スパイス集めがテーマだった「サフラニート」(2010年初版)のリメークです。ちなみに米国では、日本食の鉄板焼きのことをHibachiと呼ぶそうです。肉を焼く際に包丁などをクルクル回すパフォーマンス付き料理のイメージでしょうか。

食材がそろえばレシピカードを完成させることができる。先に3枚完成させたプレーヤーが勝利 拡大
食材がそろえばレシピカードを完成させることができる。先に3枚完成させたプレーヤーが勝利

 プレーヤーは料理人となり、レシピ通りに料理を完成させるために素材集めにいそしみます。レシピカードには三つの食材が描かれており、最初に3枚カードを完成させたプレーヤーが勝利。ボードには九つの食材のボウルと四つのアクションエリアがあり、プレーヤーは、100~600円の入札額が記されたチップ6枚と1600円を持ってスタート。手番になったら自分のチップをボードの外側から狙うボウルやアクションエリアに1枚投げ入れます。

ゲーム盤の外から自分のチップを投げ入れて素材をゲット 拡大
ゲーム盤の外から自分のチップを投げ入れて素材をゲット
9種類の素材と四つのアクションが描かれたゲーム盤。もちろん他プレーヤーのチップをはじき出すことも可能 拡大
9種類の素材と四つのアクションが描かれたゲーム盤。もちろん他プレーヤーのチップをはじき出すことも可能
うまく素材にチップが載らなくてもチリカードがもらえる。チリカード2枚で任意の食材の替わりにできる 拡大
うまく素材にチップが載らなくてもチリカードがもらえる。チリカード2枚で任意の食材の替わりにできる

 チップは裏向きにして入札額が見えないように投げるのがポイント。全員が規定枚数投げ入れたらアクションエリアの処理後、食材の売買へ。ボウルに投げ入れられたすべてのチップを表向きにし、額面の合計が売却額に。例えば卵のボウルに400円、200円、100円のチップがあったら卵の食材カード1枚を700円で売れることになります。その後、ボウルに載っているチップの額面合計が多いプレーヤーから食材を購入することができます。毎ラウンドすべての食材が登場するわけではないのでたくさんチップを集中させた方が有利なのですが、載せた自分のチップの合計額を支払う必要があり、あまり高額なチップを載せると金欠に。高く売って安く買いたいのですが、他のプレーヤーの思惑もある上、そもそもうまくボウルの上にチップを載せられなければ意味がありません。

 チップ投げ入れの技術、競りの駆け引き、売買のタイミング。手先の器用さだけでも頭脳だけでも勝てない。オールラウンドの能力が試される名作と言えるでしょう。【野地哲郎】=次回は11月6日掲載

「スティッキー」データ

 2~4人用◆所要時間10分◆6歳以上対象◆ハインツ・マイスター作◆2000年初版

「タンブリンダイス」データ

 2~4人用◆所要時間10分◆8歳以上対象◆ランディ・ナッシュら作◆2004年初版

「ひっつきカメレオン」データ

 2~6人用◆所要時間15分◆6歳以上対象◆テオ・リビエール、セドリック・バルブ作◆2017年初版

「ヒバチ(Hibachi)」データ

 2~4人用◆所要時間45分◆10歳以上対象◆マルコ・トイブナー作◆2021年初版

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