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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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日本の選択 「脱炭素」への戦略 原発の位置付けが焦点だ

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国会議事堂=東京都千代田区で、本社ヘリから佐々木順一撮影 拡大
国会議事堂=東京都千代田区で、本社ヘリから佐々木順一撮影

 気候変動は豪雨災害や干ばつなどを引き起こし、人々の命や暮らしを脅かす。二酸化炭素など温室効果ガスを出さない脱炭素社会をどのように実現するか。衆院選で問われている。

 日本は2050年までに、排出量を実質ゼロにする「カーボンニュートラル」を達成する目標を法制化している。

 与野党とも、この目標の実現を目指す。岸田文雄首相は「クリーンエネルギー戦略」を策定すると表明し、立憲民主党の枝野幸男代表は「自然エネルギー立国」を掲げる。

 焦点は原発の位置付けだ。

 東京電力福島第1原発事故を経験し、多くの国民は原発を使い続けることに否定的だ。各党とも原発への依存度を下げるとは表明しているが、政策に温度差がある。

 自民党は事故以降、「原発に依存しない社会を確立する」と表明してきた。衆院選でも、この立場は踏襲している。

 同時に、原発をカーボンニュートラルに不可欠な電源と位置付け、再稼働を推進している。新型の小型原子炉への投資も積極的に後押しするという。

 原発回帰を想起させるものだ。政策の方向性について、国民の納得を得られる説明が欠かせない。

 野党側は脱原発の姿勢を鮮明にする。立憲は「50年までに再生エネ100%」、共産党は「30年に原発の発電量をゼロにする」などと、時期を公約に盛り込んだ。

 ただし、原発を減らしながら、生活や産業に欠かせない電力をどのように確保するか、その方策は明らかにしていない。脱炭素化とエネルギーの安定供給を両立する道筋を示さなければ、支持を得ることは難しい。

 原発は脱炭素電源だが、「核のごみ」が出る。使用済み核燃料を再処理する「核燃料サイクル」も事実上破綻している。議論を先送りすべきではない。

 脱炭素化は国際的な潮流だ。欧州連合(EU)は、再生エネなどを成長産業に位置付ける。環境分野だけに使い道を絞った巨額の環境債を発行し、経済構造の転換を図ろうとしている。

 日本はどのような方法で脱炭素社会を実現するのか。具体的な戦略が今こそ求められている。

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