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川本直さん(文芸評論家) あらゆる技法詰め込み 架空の作家の回想録、初の小説に

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作中で訳者の仮面をかぶった川本直さん=関雄輔撮影
作中で訳者の仮面をかぶった川本直さん=関雄輔撮影

 米国の作家、ジュリアン・バトラー(1925~77年)の生涯は数々のゴシップに彩られている。両性具有的なたたずまいと過激な作風、奔放な言動でメディアをにぎわす一方、その私生活は長く謎に包まれていた。このほど刊行された『ジュリアン・バトラーの真実の生涯』(河出書房新社)は、生前の彼をよく知る覆面作家、アンソニー・アンダーソンによる回想録の邦訳だ。

 ――と、訳者による序文から巻末の参考文献に至るまで「事実」として構成された本書を読み、図書館や書店に向かう人もいるかもしれないが、残念ながらジュリアンの作品を読むことはかなわない。それもそのはず、本書は作中に訳者として登場する文芸評論家、川本直さんによる小説で、ジュリアンは架空の作家なのだ。虚構の回想録に、トルーマン・カポーティやノーマン・メイラーら、20世紀米文学史を彩る実在のスターが登場し、…

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