演劇 パルコ「ジュリアス・シーザー」 吉田ブルータス、深い懊悩=評・濱田元子

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
=加藤幸広撮影
=加藤幸広撮影

 シェークスピアの戯曲を、あらゆる時代に属するものと評したのは、同時代の詩人ジョンソンだ。専制支配や、民衆の情緒的支持を基盤としたポピュリズム政治、渦巻く権謀術数への痛烈な風刺。まさに政治が正しく機能しない今の時代を撃つ舞台だ。格調ある福田恆存の訳を使い、森新太郎が演出している。

 共和政末期のローマで、将軍のシーザーが暗殺された事件が題材だ。時代によって反ファシズムなど政治的文脈の中で上演されてきた。今回は全役を女性の俳優が演じることで、政治におけるジェンダーバランスへの批評性を持たせようという狙いが現代を象徴する。

 民衆はシーザー(シルビア・グラブ)に王冠を与えようとするが、独裁者の出現を恐れたキャシアス(松本紀保)らは暗殺を計画。裏切りをためらうブルータス(吉田羊)を説得して一味に加え、実行する。

この記事は有料記事です。

残り364文字(全文719文字)

あわせて読みたい

注目の特集