戦乱続いたスンニ派の街 治安改善、変化も イラク・ファルージャ
毎日新聞
2021/10/23 05:00(最終更新 10/23 05:00)
有料記事
1387文字
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

「今はどの政党も外国の代理勢力だ。支配層には国家への忠誠心がない」。イラクのサダム・フセイン独裁政権時代に軍将校だったジヤード・アルドレイミさん(55)は両の拳を握りしめ、憤りを口にした。
ここはイラク中部ファルージャ。首都バグダッドの西約50キロに位置する人口約30万人の都市で、近くをユーフラテス川が流れる。国民の約3割と少数派のイスラム教スンニ派住民が集住する三角地帯「スンニ・トライアングル」に含まれる。
スンニ派主体のフセイン政権が2003年に米軍率いる有志連合に倒された後、占領当局によって軍人の多くは職を追われた。アルドレイミさんもその一人だ。戦後の民主化政策によって、イラク政界は国民の多数派であるシーア派主導へと変わった。長年多くの軍関係者を輩出したこの町で、スンニ派の元軍人たちは不満を抱え続けている。
年金暮らしのアルドレイミさんは、かつて自身が仕えたフセイン政権のクウェート侵攻(1990年)…
この記事は有料記事です。
残り978文字(全文1387文字)