西成の子ども食堂で考える貧困の背景 自治体にも差 「実態迫って」
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午後5時過ぎ、市営住宅1階の部屋に、学校帰りの子どもたちが続々と集まってきた。15畳ほどの広さに四つのテーブルが置かれ、畳やマットに座り込んで将棋やおもちゃで遊ぶ。「ごはんできたよ」。台所からの声を合図に一斉に机の上を片付け、食器を持って調理場に並んだ。「今日はハンバーグやで。おそばもある」。笑顔であふれた。
大阪市西成区の「にしなり☆こども食堂」では週3回、小中高校生らに無料で食事を提供し、多い時には50人ほどが利用する。運営しているのはNPO法人「西成チャイルド・ケア・センター」代表理事の川辺康子さん(55)だ。
こども食堂を始めたのは2012年。その2年前、勤務先の市の施設でけんかする子どもたちを見て「おなかがすいているからイライラするのでは」と感じ、月2回の料理教室を始めた。教室で作ったご飯を振る舞っていたが、事業の対象が小学生以上のため幼稚園児らが参加できない。年齢に関係なく利用できるようにと食堂を開設。17年にはNPO法人も設立した。
西成区にはひとり親など低所得世帯も多く住む。「食堂に来る子どもの大半は母子家庭」と川辺さん。仕事で親の帰宅が遅く、普段コンビニの総菜やおにぎりを食べているため、皿におかずを上手に盛り付けられない子どももいるという。「最初は少量しか盛り付けられなかった子も、ここに通ううちに食べたい量を適量皿に取れるようになる。こども食堂は生活を学ぶ場にもなっている」と話す。
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