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日本の選択 増えない女性候補 各党の本気度が疑われる

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国会議事堂(手前)と周辺=東京都千代田区で、本社ヘリから佐々木順一撮影 拡大
国会議事堂(手前)と周辺=東京都千代田区で、本社ヘリから佐々木順一撮影

 衆院選の候補者に占める女性の割合は17・7%にとどまった。4年前の前回から変わっていない。

 有権者の半数は女性であり、代表する議員の数も同様になるのが本来の姿だ。これでは、各党の本気度が疑われる。

 3年前、国会や地方議会の選挙で候補者数の男女均等を目指す法律が、議員立法で制定された。施行後初めての衆院選である。

 しかし、現実は全くの「掛け声倒れ」だ。

 特に与党の対応はお粗末である。女性候補者は自民が9・8%、公明が7・5%しかいない。

 小選挙区で、男性が大半の前職を優先的に公認したためだ。引退議員の後継は、男性がほとんどである。比例代表も女性は少ない。

 野党も第1党の立憲民主は18・3%にとどまっている。共産は35・4%だった。5割を超えた政党は、60・0%の社民だけだ。

 解散前の衆院は女性議員が1割に過ぎなかった。列国議会同盟のランキングで、日本は190カ国中165位と低迷している。

 男性に偏った議員構成では、議論が硬直化しやすい。多様な視点が入ることで、見過ごされてきた問題にも光が当たる。政治に女性の意見が反映されなければ、社会の男女格差解消も進まない。

 現状を打破するには、候補者や議席の一定数を女性に割り当てる「クオータ制」を導入するしかない。欧州やメキシコなどでは、この制度によって女性議員の割合が高まった。

 女性候補者の比率に応じて、政党交付金を配分する仕組みを考えるべきだ。

 国会審議のあり方も見直す必要がある。誰もが参加しやすい環境の整備が欠かせない。オンラインの活用も検討課題だ。

 セクハラやマタハラは根絶しなければならない。

 内閣府の調査では、女性地方議員の6割近くが、支援者や議員らから嫌がらせを受けていた。

 投票権を持つ立場を利用し、候補者に不当な要求をする「票ハラスメント」も問題になっている。

 こうした状況が政治から女性を遠ざけている。性別を問わず、志を持つ人が誰でも立候補できる。それが当たり前となる社会に変えていかなければならない。

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