不妊治療に着床前検査 「障害者を苦しめる」関係団体が懸念

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シンポジウム後の記者会見で「子どもを望んでいる方に(着床前検査を)適切な形で提供していきたい」と話す日本産科婦人科学会の木村正理事長=東京都内で2021年10月23日午後6時5分、岩崎歩撮影
シンポジウム後の記者会見で「子どもを望んでいる方に(着床前検査を)適切な形で提供していきたい」と話す日本産科婦人科学会の木村正理事長=東京都内で2021年10月23日午後6時5分、岩崎歩撮影

 不妊治療の一環として行う「着床前検査」を条件付きで認める方針を、日本産科婦人科学会(日産婦)が23日、打ち出した。日産婦が方針を明らかにしたこの日のオンラインシンポジウムでは、「異常」な受精卵を選別し排除する検査の拡大が、障害者の生きづらさにつながりかねないとの懸念も聞かれた。

 「臨床研究の枠組みを基本に考えていきたい」。着床前検査の不妊治療効果を調べる日産婦の臨床研究を率いてきた苛原稔(いらはら・みのる)・徳島大大学院医歯薬学研究部長はシンポでこう述べた。臨床研究ではこれまで、体外受精したものの2回以上続けて妊娠できなかった▽流産を2回以上経験した▽夫婦いずれかに染色体の構造異常がある――カップル4300組以上を対象に、妊娠率や出産率への効果を調べた。一般診療として導入する際も、対象範囲を同様に限定して容認するという考えだ。

 苛原氏は、判定基準などを示した受精卵の取り扱いガイドラインを作成する考えも示した。臨床研究には全国109の医療機関が参加している。今後、実施施設は増える見通しだ。日産婦は現時点で「最初の体外受精から検査を使うことは想定していない」としているが、対象範囲は今後議論になりそうだ。

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