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人口減少問題は衆院選で、注目を集めているとはいいがたい。多くの政党は「見て見ぬふり」をしているのではないか。
日本の人口は現在約1億2500万人だが、政府の推計では2050年ごろに1億人を割る。同時に少子高齢化も進み、社会は大きな変化に覆われる。
新型コロナウイルス禍が、追い打ちをかけている。昨年84万人に減少した全国の出生数は、今年80万人を下回る恐れすらある。つい5年前、100万人の大台を割ったばかりである。
出生数に影響する婚姻数も昨年から落ち込みが目立つ。若い世代の将来への不安が「産み控え」「結婚控え」につながっている。
人口減少は大都市圏以上に、地方に深刻な影響をもたらす。東京への地方からの人の流入には昨年から、ブレーキがかかりつつある。ただしこれも、コロナによる「東京離れ」の影響とみられるだけに、定着するかはわからない。
地方の人口減少を食い止めようと安倍、菅両政権が取り組んだ「地方創生」は目立った成果を上げていない。政府は「稼ぐ自治体」を目指し、外国人客誘致によるインバウンド効果を追求した。だが、コロナ禍で戦略は裏目に出た。
2点、指摘したい。
多くの若者にとって「結婚し、子どもを育て、老後を生きる」ことの経済的ハードルが高くなっている。子育て支援はもちろん、教育費、老後資金などライフサイクルを通じた安全網構築が必要だ。
もう一つは、人口減少が今後も続くことを正面から認め、地域社会を持続させるための備えを加速することだ。
公務員数の減少を見越し、NPO、住民組織などと協働して、行政サービスを分担する仕組みが求められる。都道府県と市町村の役割分担の再点検も必要だろう。
地方の「稼ぐ競争」をあおった菅内閣は退陣した。本来なら地方の再生に向け、多様な方策を議論し直す好機である。だが、自民、立憲民主両党の公約は、人口減少に対する切迫感に乏しい。
本気で取り組む気があれば、政策を総動員するような強いメッセージを発しているはずだ。政治が素通りすれば将来、確実にツケを国民に回すことになる。
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