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奇跡の傍らで

出産のリアルを描いた人気漫画「コウノドリ」のモデル、荻田和秀医師が命が誕生する現場からの思いをつづります。

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大切なヘルスリテラシー 新型コロナ、消えないデマ=荻田和秀・りんくう総合医療センター産科医

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過去の制度の混乱もあり、風疹ワクチンも接種が進んでいない。正確な知識が必要なワクチンの一つだ マンガ「コウノドリ」(C)鈴ノ木ユウ/講談社
過去の制度の混乱もあり、風疹ワクチンも接種が進んでいない。正確な知識が必要なワクチンの一つだ マンガ「コウノドリ」(C)鈴ノ木ユウ/講談社

 新型コロナウイルス感染症の第5波もようやく収束しつつあります。わーっと街に繰り出したいところですが、ワクチンを2回接種したのに感染する「ブレークスルー感染」もあるので、「アフターファイブ」などと言って羽目を外すのは危険です。

 第5波でも問題になったのがいろいろなデマです。SNS(ネット交流サービス)を通じていろいろな情報が瞬く間に広がっていく……。以前もこのコラムで書きましたが、受け取った情報を拡散させる前に、その情報が正しいのかどうか、今一度吟味していただきたいです。

 10月初め、「和歌山県でワクチンを接種した小学生が亡くなった」というデマが流れました。誰が何のつもりでそんなデマを流したのか理解に苦しみます。ワクチンの副反応について議論したければ、ウソをつかなくてもよいはずなのに。名指しされた小学校が否定しても、いまだに情報が流れ続けています。「デジタルタトゥー(入れ墨)」という言葉もあるように、情報は一旦流れるとなかなか消せません。最近、動画サイトやSNSの…

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