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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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再稼働先進地・九州、低調な原発議論 「言ったら支持を失う」

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2024年7月に運転期限の40年を迎える九州電力川内原発1号機(手前)。後方の2号機も翌年には40年になるが、衆院選で議論は深まっていない=鹿児島県薩摩川内市で2019年1月18日、本社ヘリから津村豊和撮影
2024年7月に運転期限の40年を迎える九州電力川内原発1号機(手前)。後方の2号機も翌年には40年になるが、衆院選で議論は深まっていない=鹿児島県薩摩川内市で2019年1月18日、本社ヘリから津村豊和撮影

 31日投開票の衆院選では、原発を今後、どう利活用していくかも争点の一つだ。中でも九州は、東京電力福島第1原発事故以降、全国で再稼働した10基のうち4基が立地する「再稼働先進地」で、運転開始から40年を超す老朽原発の運転延長問題も抱えるが、原発を巡る議論が深まっているとは言えない。

 鹿児島県薩摩川内市にある九州電力川内原発は、1号機が2024年7月、2号機が25年11月にそれぞれ法律で定められた原子炉の運転期限の40年を迎え、原子力規制委員会が許可すれば1回に限り最長20年延長できる。期限が3~4年後に迫る中、九電は今月18日から延長の申請に必要な「特別点検」を1号機で開始し、2号機でも来年2月に始める予定だ。九電は「現時点で延長申請を決めたわけではない」とするが、延長の是非に関する議論は待ったなしだ。

運転延長「反対」削っても難色

 しかし、肝心の地元で延長問題を取り上げる難しさを象徴するような場面が9月にあった。県内の市民グループ「衆院選での市民・野党共闘をめざすALLかごしまの会」は20年12月から立憲民主、共産、社民の野党3党の県組織と衆院選の政策課題に関する意見交換を始め、今年1月、40年超の原発の運転延長に「反対」することで大筋合意していた。

 ところが、9月13日に同会と3党が県庁で発表した共通政策からは「反対」の文言が削られ、代わりに「雇用確保や地域経済への影響に配慮しつつ原発に依存しない社会を一日も早く実現」するという無難な表現に変わっていた。同会の高岡茂共同代表は「野党としてまとまることを最優先にした」と述べ、政党間で意見の隔たりがあったことを示唆した。

 原発で働く組合員を抱える立憲の支持母体、連合はこの表現にも難色を示したとみられ、同19日に県内の野党候補全員が集まって開く予定だった共通政策の調印式は延期に。最終的に解散4日前の10月10日、そのままの表現で調印にこぎつけたものの、立憲の候補者を支援する地元議員は「この地域では親戚の誰かが必ず原発関連で働いている。脱原発は論点にならないし、それを言ったら支持してくれる人はいない」と打ち明ける。

 事情は玄海原発がある佐賀県でも同じだ…

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