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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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要介護や障害…投票したいのにできない 郵便投票対象外の弱者

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「つかまっていないと家事もできない」と話す女性。投票所に行くことが難しく、地方選挙を含めて5年以上、投票できていない=東京都目黒区で9月
「つかまっていないと家事もできない」と話す女性。投票所に行くことが難しく、地方選挙を含めて5年以上、投票できていない=東京都目黒区で9月

 31日に投開票される衆院選は各地で候補者が舌戦を繰り広げているものの、有権者の中には高齢や障害のために投票したくても投票できない人たちがいる。新型コロナウイルスに感染した人が自宅やホテルで療養中に郵便投票できるようにする特例法が6月に成立するなど新たな動きはある。だが、体が不自由な人にとっての「1票」はなおハードルが高い。

投票所の階段・スロープに阻まれ

 東京都目黒区で1人暮らしをする女性(79)は2016年の参院選で投票して以来、5年以上、地方選挙も含めて投票していない。

 15年に心筋梗塞(こうそく)、17年に脳梗塞を患い、入院中に転倒して背骨を骨折した。「外ではつえをついて2、3歩しか歩けず、家の中でもどこかに片手でつかまっていないと家事をするのも難しい」と言い、買い物は宅配をしてくれる生協頼みで、ヘルパーに家事や入浴を手伝ってもらいながら生活を維持する。

 介護認定は「要介護1」で、郵便投票の要件である要介護度が最も重い「要介護5」には届かない。最後に投票した16年はタクシーを使って投票所まで行ったものの建物の玄関に入るために10段以上ある階段か長いスロープを上らなければならず、次の選挙から投票を断念した。

 女性は新聞やテレビで熱心にニュースをチェックするなど政治には関心がある。それだけに「国が投票してくださいと呼びかけるなら、私のように体が不自由な人も投票しやすくなるように制度を変えてほしい」と訴える。

 総務省の有識者研究会は17年に「要介護3」まで郵便投票の対象に含めるよう報告書をまとめたものの実現に至っていない。研究会のメンバーだった淑徳大の結城康博教授(社会福祉学)は「投票に行こうと思っても行けない人は、要介護4以下でもたくさんいる。郵便投票による不正を心配するなら、自治体職員が自宅に訪問して投票してもらう仕組みなども考えて、憲法が保障する権利を担保すべきだ」と話す。

行き慣れぬ会場、行くこともできず

 また、一般社団法人「全日本視覚障害者協議会」(東京都豊島区)は、現状では郵便による点字投票が認められていないことから、視覚障害者がコロナの療養者となった場合を想定し、柔軟な対応を取るように近く国に要望する。

 協議会理事で高知市の理学療法士、藤原義朗さん(61)は…

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