愛される“ミスター” 長嶋茂雄さん文化勲章 築き上げた野球人気

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日本シリーズで西武を破って監督として初の日本一となり、ナインに胴上げされて宙に舞う長嶋茂雄監督=東京ドームで1994年10月29日
日本シリーズで西武を破って監督として初の日本一となり、ナインに胴上げされて宙に舞う長嶋茂雄監督=東京ドームで1994年10月29日

 プロ野球界で初の文化勲章受章が決まった元巨人監督の長嶋茂雄さん(85)は「ミスタープロ野球」「燃える男」と呼ばれ、幅広い年代の人々に愛されてきた。日本の高度成長期を象徴する存在として、数々の名場面を生み、野球を国民的スポーツに押し上げた功績がたたえられた。

 「ミスター」が鮮烈な印象を残したのは、巨人入団2年目の1959年6月25日、後楽園球場での阪神戦だ。この試合はプロ野球初の「天覧試合」だった。巨人第25代4番の長嶋さんは、阪神投手の村山実さんから左翼ポール際にサヨナラ本塁打を放った。劇的な幕切れで、長嶋さん自身「今でもあの時の興奮、大歓声はよみがえる」と振り返ったこともある一発は、多くの国民が野球に注目するきっかけとなった。

 巨人が65年から日本シリーズを9連覇した「V9」時代には、王貞治さん(81)=現ソフトバンク球団会長=との「ON砲」で脅威を与えた。当時は子供の好きなものの象徴として「巨人、大鵬、卵焼き」という言葉が生まれるほど人気を集めた。74年に現役を引退するまでの17年間で放った本塁打は通算444本。引退の際の「わが巨人軍は永久に不滅です」という言葉は今も語り継がれ、記録にも記憶にも残る名選手だった。背番…

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