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第49回衆院選

岸田文雄首相が衆院選を10月19日公示、31日投開票で実施すると表明。短期決戦の選挙戦となります。

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若者が…と言うけれど 仁藤夢乃さんが問う「大人はどうですか」

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一般社団法人「Colabo」代表、仁藤夢乃さん=本人提供
一般社団法人「Colabo」代表、仁藤夢乃さん=本人提供

 若者は選挙に行かない、声を上げない、と大人は言う。しかし、コロナ禍で貧困が広がる中、帰る家もなく夜の街に漂う10代の少女たちを支えてきた一般社団法人「Colabo(コラボ)」代表、仁藤夢乃さん(31)はむしろ、大人たちに問いかける。「ならば、大人は声を上げていますか。声を上げている人を支えていますか」【小国綾子/オピニオングループ】

衣食住と関係性を

 ――選挙のたび「若者よ、投票に行こう」という記事を書くばかりでいいのか?と自問しています。衣食住に事欠き、投票どころではない若い人も多いのに、と。

 ◆若者に貧困がどれほど広がっているのか、政治家の方々には見えていないと感じます。

 新型コロナウイルスがまん延したこの1年半で、私たちに寄せられる相談は2・5倍に増えました。虐待や生活困窮のリスクが増したためです。

 コロナの前は、帰る家もなく、夜の街にいるしかない10代の少女たちや、「助けて」と言えない少女たちを支える活動をしてきました。虐待などに傷つき、自分も他人も信じられない状態で、路上で性売買や性的搾取の被害を受けている、主に中学卒や高校中退の子たちでした。

 「すべての少女に衣食住と関係性を」を合言葉に、自分たちからは「助けて」といえない少女たちに声をかけ、人間関係をていねいに築き、困りごとを打ち明けてもらえるまで待って、少女たち一人一人に寄り添ってきました。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に「♯家出」「♯泊めて」などと投稿している少女たちに、「知らない男のところに泊まるくらいなら、Colaboに連絡してみたら?」と案内してくれる方たちもいて、そのお陰でつながった少女たちもいます。

 ところがコロナ禍では、自分から「助けて」と言える若年女性の相談が殺到しました。ピンクのバスを夜の繁華街に止め、家に帰れず街で夜を過ごすしかない少女たちに食べ物や衣類を提供する「バスカフェ」にも、普段は夜の繁華街にいないような女性たちまでが、わざわざその日の食べ物や服を求めて、集まってくるようになったのです。

 「お菓子よりもお米がほしい」「コスメよりも、下着や靴下がほしい」など、生きていくために必要なものを希望する少女たちが多くなっています。

支援を受けられずにいる学生たち

 ――特に目立って増えたのは、どんな少女たちからの相談ですか。

 ◆特に増えたのが、学生からの相談でした。「学費が払えない」「家賃が払えない」「今日食べるものがない」と。ところが困窮する大学生を支援したくても使える公的制度がない。生活保護は大学生を対象としていないからです。

 親が出す学費以外は自分で稼がねばならないのにコロナ禍で飲食店のアルバイトが減って困窮しているという大学生。やむを得ず性産業で働き、心を病んだり、性病をうつされても医療費を払えなかったり。「マッサージだけだから」と連れて行かれて裸で接客させられ、レイプされた、という相…

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