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アートな窓

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人と建物が紡いだ残像=現代美術家・南谷富貴 /岐阜

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記憶の残滓(縦20センチ、横20センチ、奥行き15センチ)、古材に膠(にかわ)・アクリル・銀箔(ぎんぱく)
記憶の残滓(縦20センチ、横20センチ、奥行き15センチ)、古材に膠(にかわ)・アクリル・銀箔(ぎんぱく)

 幼い頃、両親は自営の婦人服製造卸業に忙しく、私は絵を描くことや工作で独りの時間を過ごした。ごく自然に岐阜県立加納高校美術科、名古屋芸術大学絵画科へと進学した。大学時代はキャンバスでは飽き足らず、規定外のパネルを自分で作っては描いていた。

 一時は、描くことよりも支持体(描かれる物)に興味が向き、立方体や木箱作りに専念し地元の材木屋によく通ううち足場板と出合った。使い古された足場板には、釘(くぎ)が刺さっていたり削れていたり塗料が付着していたり。そこに使命を終えたストーリーを感じて制作の要となった。

 3年程前、愛犬と散歩中、ふと見知らぬ新しい建物に目が留まった。以前ここには何があったのか、見慣れたはずの近所の風景なのに全く思い出せない。

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