鳴門の冨田遼弥 感涙、夏の雪辱の快投 高校野球秋季四国大会

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【鳴門-明徳義塾】力投する鳴門の先発・冨田=西条市ひうち球場で2021年10月30日、猪飼健史撮影 拡大
【鳴門-明徳義塾】力投する鳴門の先発・冨田=西条市ひうち球場で2021年10月30日、猪飼健史撮影

 高校野球の秋季四国大会は30日、愛媛県の西条市ひうち球場で準決勝が行われ、鳴門(徳島)は今夏の甲子園に出場した明徳義塾(高知)に延長十一回の末、3―2で競り勝ち、9年ぶり7回目の決勝進出を決めた。

 気迫の好投の末に、歓喜の涙を流した。鳴門の2年生左腕・冨田遼弥は、勝利の校歌演奏を本塁前で聞きながら、腕で何度も顔をぬぐった。延長十一回を投げ抜き、13奪三振2失点。今夏の甲子園で3試合に登板した明徳義塾のエース左腕・吉村優聖歩(2年)との投手戦を制した。

 一回、先頭打者への2球目に自己最速を更新する142キロをマークしたものの、直球がシュート回転して制球を乱した。三回には2四死球から安打1本とスクイズで2点を奪われ、同点に追いつかれた。それでも「相手投手からは簡単に点は取れない。粘り強く投げる」と、スライダーやチェンジアップ主体に切り替えて連打は許さない。スコアボードに「0」を並べるたびに「ヨッシャー」と派手なガッツポーズを決めて気迫を前面に出し、味方打線の決勝打を呼び込んだ。

 今夏の徳島大会は、4連覇を目指すチームのエースとして初戦の2回戦・池田戦に先発したが、自身の守備の乱れもあって6回4失点で敗れた。「3年生の夏を自分が終わらせてしまったのに、『甲子園に行けよ』と声をかけてくれた」。この日は先輩たちの期待に応える好投で、思わず涙を見せた。10年ぶり4度目となる四国大会王者の称号を、つかみに行く。【伝田賢史】

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