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衆院選の投票日を迎えた。
発足したばかりの岸田文雄政権を信任するのか、しないのか。有権者が審判を下す衆院選である。
同時に、9年間にわたった安倍晋三、菅義偉両政権への評価も問われる。
報道各社の事前調査によると、全国289の小選挙区のうち約4割で与野党の候補が接戦を続け、僅差の争いになっている。
小泉純一郎政権当時の「郵政選挙」(2005年)以降、衆院選は与野党で大差がつく結果が続いてきた。それと比べれば、際立った変化である。
いつにも増して、有権者一人一人の投票が、政治の行方を左右するということだ。投票所に足を運び、1票を投じたい。
薄められた岸田カラー
岸田首相は、この衆院選を「未来選択選挙」と銘打って、「新型コロナウイルス流行後の未来を切り開いていけるのは誰なのか」と訴えた。
だが、その未来像を首相は国民に明確に提示しただろうか。むしろ、首相が何を目指しているのか、あいまいさの方が目立ったのではないだろうか。
如実に物語ったのが「分配か、成長か」が与野党論戦の主要テーマとなった経済政策だ。
首相は先の自民党総裁選で「新自由主義からの転換」を提案し、分配に力点を置いていた。にもかかわらず、公示後は、分配という言葉を使う場面が少なくなった。
安倍氏が進めてきた成長重視の経済政策「アベノミクス」が、国民に否定的にとらえられるのを自民党側が嫌い、首相もそれに気を使ったからだろうか。
分配政策の目玉だった金融所得課税強化は党の公約からは消え、首相はあっさり先送りした。首相の発言力が絶大だった安倍、菅両政権とは様変わりした岸田政権の現状を見せつけた。
しかし、この結果、「分配なくして成長なし」を掲げる立憲民主党をはじめ、野党との違いが鮮明になったのは確かだ。
これだけではない。
原発をどうしていくのか。選択的夫婦別姓制度に賛成なのかどうか。森友学園問題の再調査をするのか、しないのか……。各党の違いは見えてきた。
コロナ禍にあって私たちは、政治次第で国民の暮らしが大きく変わることを改めて知った。政治リーダーの言葉がどれだけ大切なのかも学んだ。
もちろん、まだ迷っている有権者もいるだろう。だが、どんな投票行動をするのかは、それぞれの考え方があって構わない。
自分が一番関心のある政策で自らの考えに最も近い党や候補者を選ぶ。いわば「マイ争点」を決めて投票する方法もある。
与党がさらに増えた方がいいのか。野党が増えて与野党勢力が伯仲した方がいいのか。あるいは政権交代か。選挙後の状況を想像してみて、自分が望ましいと思う方向に少しでも近づけるために投票してもいい。
民主政治を取り戻そう
国政選挙では低投票率が続いている。
14年の衆院選の投票率は戦後最低の52・66%。前回の17年も53・68%だった。前回の場合で言えば、全有権者のうち、実に4900万人余が棄権したことになる。
若者の低投票率が注目されてきたが、低下傾向は全世代で続いている。これは深刻な事態だ。
この5割程度の投票率の中で多数議席を得て、安倍、菅政権は数の力を頼りに、強権的な政治を進めたことを忘れてはならない。
棄権は政治家に白紙委任するに等しい。棄権したとしても、こうした政治に陥ることをも委任した人ばかりではなかったはずだ。
民主政治の基盤は投票だ。それが今、まさに危機にひんしていると言っていい。
こうした中で今回、注目すべき動きがあった。
「僕たちの投票への思いを話します」「僕らのできる第一歩みたいなものが投票」――。
菅田将暉(すだまさき)さんや橋本環奈(かんな)さんら若手芸能人らが、投票を呼びかける動画がインターネットで公開され、瞬く間に広がったことだ。
「自分が投票しても政治は変わらない」「与野党、どっちもどっちだ」とあきらめがちな人たちに向けた彼らのメッセージを無駄にしたくない。
やはり、きょうは「GoTo投票所」である。
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