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絶対安定多数と首相 寛容な政治で国会再生を

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 衆院選で勝利した自民党の岸田文雄総裁(首相)がきのう記者会見し、「自公政権に対して国民の信任を頂いた」と語った。

 だが、選挙戦の陣頭指揮を執った甘利明幹事長は小選挙区で落選した。自民の現職幹事長としては初めての事態だ。「政治とカネ」の疑惑を抱えながら、説明に背を向ける姿勢が有権者に厳しく判断された。

 甘利氏が辞任を申し出たのは当然だ。首相は後任に茂木敏充外相を充てる方針という。会見で「厳しい声が寄せられたことはしっかり受け止めねばならない」と語った。襟を正して、政治への信頼を取り戻すよう努めるべきだ。

 自民は、絶対安定多数を維持した。17ある衆院の常任委員会全てで委員長を出したうえで委員の過半数も占めることができる。政権の意のままに国会を運営することが可能になる議席数だ。

 だが、数の力を背景に強引な政治を進めることは許されない。異なる意見にも耳を傾け、議論を通じて合意形成を図る民主政治の本来の姿に立ち返るべきだ。

 自民、公明両党と日本維新の会、国民民主党など憲法改正に前向きな勢力は、国会発議に必要な総定数の3分の2を超えた。

 首相は「3分の2以上の賛成を得られるよう議論を深める」と改憲論議への意欲を示した。

 憲法改正問題を拙速に扱うことがあってはならない。幅広い国民の合意を得るための冷静な議論と慎重な手続きが不可欠だ。

 与党が勝利した背景には、立憲民主党や共産党など野党5党の共闘効果が限定的だったことがある。議席を大幅に減らした立憲の執行部は責任を明確にすべきだ。

 自民が政権に復帰した2012年の衆院選以降、低投票率が続いている。今回は55・93%で戦後3番目に低かった。争点や対立軸を明確にして選挙戦を盛り上げることができなかった与野党は、現状を重く受け止めねばならない。

 「安倍・菅政治」でないがしろにされてきた国会の機能を、今こそ立て直す必要がある。

 首相は「丁寧で寛容な政治」を掲げているはずだ。新たな顔ぶれとなる国会でその言葉を実行に移し、立法府の再生につなげなければならない。

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