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福岡のベンチャー研究者(その2止) 地場企業、熱意に共感 世界驚かそう、合言葉

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定期的に開催されたQPS研究所と協力企業の技術者の会議では、社の垣根を越えて活発な議論が交わされた。新型コロナウイルスの感染拡大後もオンラインで従来と変わらないやり取りが続いている=福岡市中央区で2020年2月3日、徳野仁子撮影
定期的に開催されたQPS研究所と協力企業の技術者の会議では、社の垣根を越えて活発な議論が交わされた。新型コロナウイルスの感染拡大後もオンラインで従来と変わらないやり取りが続いている=福岡市中央区で2020年2月3日、徳野仁子撮影

 

 旧ソ連が人類初の有人宇宙飛行を成功させた1961年、八坂哲雄さん(79)は東京大に入学した。その6年前には「日本のロケットの父」と呼ばれる東大の糸川英夫教授がペンシルロケット発射に成功した。それから半世紀後、八坂さんは宇宙工学ベンチャー「QPS研究所」(福岡市)を創業。レーダーで地上を観測する「小型合成開口レーダー(SAR=サー)」衛星の開発に尽力している。

 日本の宇宙開発が夜明けを迎えていた大学時代。八坂さんは、糸川研究室に入れてもらおうと同級生2人と直談判した。「糸川先生に『1人でいい』って言われてね。花形のエンジンがやりたかったけど、じゃんけんで負けた」。構造物の強度や設計などを担当する「構造」を専門とし、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の前身である東大宇宙航空研究所でロケット開発に携わった。

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