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福井には日本最古のウニ商がある。1804(文化元)年創業の「天(てん)たつ」だ。3代目の時に福井藩主から、戦用の日持ちする貯蔵食作りを命じられ、塩蔵法による「汐(しお)うに」の製法を考案した。7代目の天王屋辰吉は、松平春嶽(しゅんがく)から略称で「天たつ」と呼ばれ、明治期からこれを屋号とした。現在の11代目店主、天野準一さん(41)は「福井では『ウニを夏にひとなめすると夏バテしない』といわれます。日持ちに加え、戦時には精がつく食べ物としても重宝されました」と語る。
100グラムの「汐うに」を作るのに、バフンウニ約100個を使う。取れる浜ごとに味わいが異なるため、1~3年をかけて熟成させた後、ブレンダーがそれぞれの甘み、うまみ、渋み、苦みを見極めて混ぜ、天たつの味に仕上げる。
福井の越前海岸で海女が採取したウニを買い上げて製造してきたが、近年は海温上昇で減少したため、全国から最良のバフンウニを集めて補っている。天野さんは「福井で生まれたウニの文化を精進して継承していきます」と話す。
「汐うに」は11グラム入りの2160円から。問い合わせは、天たつ本店(0776・22・1679)。