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北海道熱波、欧州洪水…温暖化で異常気象 COP26で切実な訴え

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洪水で破壊された住宅=ドイツのラインラント・プファルツ州で2021年7月29日、ロイター
洪水で破壊された住宅=ドイツのラインラント・プファルツ州で2021年7月29日、ロイター

 英グラスゴーで開催中の国連気候変動枠組み条約第26回締約国会議(COP26)では、地球温暖化との関連が指摘される気象災害など、島国などから深刻な被害を訴える声が相次いでいる。日本でも今夏、冷涼な北海道で意外な現象が確認された。世界で、日本で今、どんな変化が起きているのか。【垂水友里香、渡辺諒、グラスゴー信田真由美】

 「気候変動の影響を受けない場所はどこにもない。グラスゴーで(気候変動対策強化に向けた)成果を上げることができなければ、気候変動の被害に対して脆弱(ぜいじゃく)な人々や将来の世代は我々を許さないだろう」。COP26のシャーマ議長は8日の記者会見で強い口調で呼びかけた。

先進国に対策強化求める途上国

 気候変動に伴う被害は既に世界各地で顕在化している。会議序盤の首脳級会合では、途上国を中心に切実な声が相次いだ。

 「地球の平均気温の上昇を(産業革命前から)1・5度に抑えるという(パリ協定の)目標が達成できなければ、小さな島国には致命的な結果がもたらされる」。カリブ海にある島国、アンティグア・バーブーダのブラウン首相は強く訴えた。

 同国は、強いハリケーンによる被害や、温暖化に伴う海面上昇で水没の危機にさらされている。ブラウン首相は「小さな島国の温室効果ガス排出量は(足し合わせても)世界全体の1%にも満たないのに、対価は最も高い」と強調し、排出量が多い先進国などに対策強化を求めた。

 温暖化の影響は海だけにとどまらない。ヒマラヤ地域に位置するネパールのデウバ首相は「永久凍土が解けて氷河が後退している。豪雨など極端な気象も相次ぎ、人口の80%がリスクにさらされている」と訴えた。

 同国では10月、雨期の豪雨で洪水や地滑りが発生。住宅の浸水や道路・橋の寸断といった被害が多発し、死者や行方不明者も相次いだ。過去40年間の自然災害の被害額は60億ドル(約6780億円)近くに上るという。ネパールの国内総生産(年323億ドル、2019~20年)からすると大変な規模だ。

日本でも熱波と大雨、暖冬で…

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【気候変動】

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