卵子凍結、高まるニーズ 新たな選択肢喜ぶ声の一方、リスクも

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「あくまでも『保険』として後悔のない選択を」との思いで卵子を凍結保存した37歳の女性=横浜市で2021年10月28日午後4時15分、岩崎歩撮影
「あくまでも『保険』として後悔のない選択を」との思いで卵子を凍結保存した37歳の女性=横浜市で2021年10月28日午後4時15分、岩崎歩撮影

 将来の妊娠・出産に備え、若いうちに卵子を凍結保存する動きが国内でも広がりつつある。「仕事のキャリアアップを優先したい」など、新たな選択肢に期待を寄せる女性の思いは切実だ。一方、どんな施設がどんな水準でサービスを提供しているかの実態把握はなされておらず、体制整備を求める声もある。ニーズの高まりに社会はどう対応すべきなのか。課題を探った。

 飲食店を経営する横浜市の女性(37)は10月、11個の卵子を凍結した。卵子凍結技術のことはインターネットを通じて知っていた。30代前半の頃、友人との会話で「卵子の老化」が話題に上ったこともある。とはいえ、「卵子凍結」という響きに「自然の流れに逆らっているようで抵抗があった」。結婚願望はあまりなく、子どもが絶対に欲しいわけでもなかった。

 何より仕事が忙しく、「(結婚や出産のことを)リアルに考えられなかった」。女性は飲食店を経営しながら、宅地建物取引士の資格を取得。将来は不動産会社を経営したいとの夢があり、キャリアが絶たれることは避けたかった。

 ところが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で店の営業が思うようにできない日が続いた。時間がで…

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