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秋季大会2021

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離島勢・大島の快進撃支える「誓い」 高校野球・秋季九州大会

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高校野球の秋季九州大会準々決勝で興南を完封した大島の大野=鹿児島市の平和リース球場で2021年11月9日午前11時55分、吉見裕都撮影
高校野球の秋季九州大会準々決勝で興南を完封した大島の大野=鹿児島市の平和リース球場で2021年11月9日午前11時55分、吉見裕都撮影

 高校野球の秋季九州大会は9日、鹿児島市の平和リース球場などで準々決勝があり、2014年センバツに21世紀枠で出場した大島(鹿児島1位)はエースの大野稼頭央(2年)が好投し、興南(沖縄1位)に3―0で快勝した。

 大島の左腕・大野は引き分け再試合となった6、7日の大分舞鶴との1回戦で、計19回を一人で投げ抜いた。中1日で迎えたこの日も先発。6日から数えて467球目、最後の打者を空振り三振に抑えて完封すると、両腕を突き上げた。試合後には「うれしいのと、ほっとしたのが一気に出た」と涙を流した。

 最速146キロの速球が持ち味で、大分舞鶴との2試合では計28三振を奪ったが、さすがにこの日は球威が落ちた。それでも腕の振りが鋭い分、変化球が効果的に決まり、打者のタイミングを外した。

【興南-大島】準決勝進出を決め、喜ぶ大島の選手たち。スタンドからも大きな拍手が送られた=鹿児島市の平和リース球場で2021年11月9日午後0時、吉見裕都撮影 拡大
【興南-大島】準決勝進出を決め、喜ぶ大島の選手たち。スタンドからも大きな拍手が送られた=鹿児島市の平和リース球場で2021年11月9日午後0時、吉見裕都撮影

 三回2死一、二塁のピンチでは、前の打席に三塁打を許した興南の3番・禰覇(ねは)をスライダーで投ゴロに仕留めた。直後の攻撃で自ら先制の適時打を放つなど流れを引き寄せた。終わってみれば三振は二つ。快速球で押すだけではなく、巧みな投球術も光った。

 学校がある奄美大島は鹿児島市から南西へ約380キロ。本土や沖縄へはフェリーで12時間前後かかる。そうした事情もあり、有望な中学生は本土へ進学するケースも多かった。大野も甲子園出場経験のある強豪校から誘われたが、大島で野球を続ける道を選んだ。捕手の西田ら同学年の選手に「島のみんなで甲子園に行こう」と熱心に口説かれたからだ。

 日米球界で活躍した松井稼頭央さん(元西武など)のファンで、大野に稼頭央と名付けた父親は同校野球部のOB。7年前に21世紀枠でセンバツへ出場した際は、家族でアルプス席から応援した。小学3年の時に見た「島のお兄さん」の雄姿も島に残ることを決めた理由の一つになった。

 久しぶりに訪れた「島から甲子園」の好機に、島民の期待も大きい。学校側は9日の試合を応援するため、生徒を公欠扱いとした。スタンドでは、前日午後9時発のフェリーに乗って駆け付けた吹奏楽部やダンス部の生徒が選手を勇気づけ、大野は「応援が後押しになった」と感謝した。はるかかなたからの南風は再び甲子園に届くか。【吉見裕都】

【秋季大会2021】

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