林外相起用に込めた対中国のメッセージ 岸田首相、問われる手腕

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第101代首相に岸田文雄首相を指名した衆院本会議=国会内で2021年11月10日午後2時58分、宮間俊樹撮影
第101代首相に岸田文雄首相を指名した衆院本会議=国会内で2021年11月10日午後2時58分、宮間俊樹撮影

 10日発足した第2次岸田内閣では、新型コロナウイルス対策や看板政策の「新しい資本主義」による成長と分配の具体化などをめぐり、岸田文雄首相の手腕が本格的に問われることになる。対中国外交や安全保障分野での課題も山積。2022年夏の参院選をにらむ首相は、国民向けの「成果」にこだわった政権運営を迫られそうだ。

関門はコロナ・経済 幹事長交代も影響

 「コロナ対応、経済、外交・安全保障、どれも状況は緊迫しており、政治空白は許されないという思いで(衆院選まで)駆け抜けてきた。このスピード感を政策実行に発揮すべく全力を挙げる」。首相は10日夜の記者会見でこう意気込みを強調した。

 選挙管理内閣の色彩が濃かった第1次内閣から、衆院選での信任を得て、自信を深めた首相。19日にまとめる経済対策や年末の来年度予算編成などで、本格政権として「岸田カラー」を発揮しようと狙う。

 首相がまず直面するのは今冬に感染再拡大の「第6波」が懸念されるコロナ対策だ。政府は12日に入院患者の病床増、3回目のワクチン接種の12月開始などを盛り込んだ感染対策の「全体像」を示す方針。昨秋、高支持率で迎えられた菅義偉内閣が、感染拡大で政権維持に苦しんだのは記憶に新しく、不確定要素の多い「ウイルスとの闘い」は岸田首相にとっても気を抜けない大きな関門だ。

 同時に、コロナ禍で傷ついた経済の再生も焦点となる。新規感染者数は低水準で推移し、飲食店や観光業者からは「日常の回復」を渇望する声が強い。政府は需要喚起策「GoToキャンペーン」の再開時期も探るが、経済活動の活性化は感染再拡大を後押ししかねないジレンマを抱える。

 衆院選中、周囲から「GoTo再開を掲げれば、有権者の受けがいい」と進言されたが、首相は「マイナスだ。様子をみるべきだ」と慎重だった。10日夜の会見でも、制度を見直した上でタイミングを考えると答えるにとどまった。GoTo継続にこだわり過ぎれば菅政権同様に批判を浴びる恐れもあり、首相官邸関係者は「時期の見極めは難しい」と悩む。

 さらに首相の最大のカラーと言える「分配」政策の具体化は急務だ。9月の自民党総裁選や10月の衆院選で首相はアベノミクスの修正を示唆したが、…

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