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世界各国・地域には独自の文化がある。駐日大使や公使らは自国のどの「一品」にこだわりを持っているのか。その魅力を紹介する。

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「花子」の悲しい歴史も… 日本とタイの懸け橋となったゾウたち

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タイから贈られたゾウの「はな子」の絵の前に立つラーピセートパン駐日大使=東京都品川区の在日タイ大使館で2021年11月2日、日下部元美撮影
タイから贈られたゾウの「はな子」の絵の前に立つラーピセートパン駐日大使=東京都品川区の在日タイ大使館で2021年11月2日、日下部元美撮影

 第二次大戦中の上野動物園で死んでいったゾウの話をご存じだろうか。これらのゾウを贈ってきたタイでは、多くの土産品にその絵柄が描かれるなど、ゾウは「国民にとって、こだわりといえる存在なのです」(シントン・ラーピセートパン駐日大使)。日本と結ぶ懸け橋となってきたタイのゾウの話を追ってみる。

 2016年5月、東京都の井の頭自然文化園で飼育されていたゾウの「はな子」が死んだが、日本国内のアジアゾウとして最高齢の69歳まで生きたことで知られる。

 はな子の名前には深い意味がある。第二次大戦中の上野動物園では、空襲などを受けた際に大きな動物たちが逃げ出す事態が懸念されて、タイから贈られてきたゾウの「花子」などが餌を与えられずに死んだ。この話は「かわいそうなぞう」という絵本で取り上げられ、広く知られるようになった。

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