生殖能力は男の証明? 徳光和夫氏の「AKB妊娠」発言を考える
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アナウンサーの徳光和夫さんが、YouTubeで配信された番組で「(明石家さんまさんは)AKBの1人や2人は妊娠させられる」と発言し、問題になっている。お笑い芸人「浅草キッド」の水道橋博士さんの番組内のトークで、タレントの明石家さんまさんの若さに触れた際に出たもので、SNS上で批判され、すでに問題の部分は削除されている。発言の何が問題だったのか。識者は「生殖能力を単に『男である』ことの証明として利用している」と指摘する。【中嶋真希、藤沢美由紀/デジタル報道センター】
問題となったのは、水道橋博士さんのYouTubeチャンネル「水道橋博士の異常な対談 ~Dr.Strangetalk~」。水道橋博士さんが各界からゲストを招くトーク番組で、徳光さんのゲスト回は10月20日のPart1から、11月6日のPart6まで配信された。発言は、「水道橋博士がどうしても聞きたかった明石家さんまの話」と題されたPart4で飛び出した。
20年前に徳光さんが、タレントの明石家さんまさんについて「さんまちゃんは面白くないよ」と発言したことや、2人が「共演NG」とされていたことについて、水道橋博士さんが徳光さんにインタビュー。徳光さんは「さんまさんの面白さが当時はわからなかった。今になって、面白くてしょうがない」などと話した。
水道橋博士さんが「年齢の衰えを知らないですよね、さんま師匠は」と語ると、徳光さんは「そうですね。この間お目にかかった時は本当に若々しかったですね。まだAKBの1人や2人は妊娠させられる」と発言。水道橋博士さんは手をたたいて笑い、近くにいたスタッフとみられる人の笑い声も入っていた。この発言は、すでに動画から削除されている。
この動画が配信されると、SNS上では「女性は子供を産むマシンではない」「ただの道具かのように見ている」「なぜ編集せずに流したのか」といった批判が起きた。産婦人科医の稲葉可奈子さんは、ツイッターで「妊娠は男性と女性がいて成立するものなので、両方に責任があるはずです。ただ、『妊娠』という現象が女性の体でおこることなので、あたかも女性がメインの話で、男性はあくまで『女性を妊娠させる』存在、と思われたりするのかもですが、当然その妊娠にもその後誕生する命にも、男性も女性も責任があります。なので、妊娠『させる』という、一方的な表現や発想は健全ではないですし、ましてやそれを武勇伝のように話すことは倫理的に問題がある、ということに気づいてもらいたいです」と訴えた。
加えて徳光さんは、2010年から18年までAKB48グループの「シングル選抜総選挙」の司会を務めた経緯もあり、「司会をしていた人の言うことか」「どういう気持ちで司会をやっていたのか」「そんな目で見ていたのか」といった声が上がった。
批判を受けて、水道橋博士さんは今月7日、メディアプラットフォームのnoteを更新。「徳光さんには何の落ち度もなく申し訳なく思う。ボクがボクの発言で炎上して火だるまになるのは、覚悟もできているが、尊敬する大先輩を巻き込むのは、顔から火が出るほど恥ずかしく申し訳ない気持ちになる」とつづった。
「性的同意」に関心高まる中で……
発言の問題点は、ど…
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