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作家・瀬戸内寂聴さん/2 3年でできた天台寺の復興

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手を合わせて祈願する瀬戸内寂聴さん=1992年11月、桐原良光撮影
手を合わせて祈願する瀬戸内寂聴さん=1992年11月、桐原良光撮影

 ▼ところで権僧正というのは、会社でいうと役員みたいなもんですか。

 そんなもんでしょうね。出家してからの年齢を法臘(ほうろう)というのですけど、法臘二十(はたち)では権僧正はくれないんですって。それを特別にくれたのね。

 ▼それはやはり、天台寺(岩手県浄法寺町)の復興に貢献したということでしょうか。

 復興には多大の努力をしました。六年前に初めて行ったときはどうしようもないボロ寺でした。中尊寺の末寺で寺格は高く、住職は代々大僧正で今(東光)先生も大僧正でここの住職になられたのですけれど、四カ月で亡くなられました。

 この寺には昭和二十八年に「伐採事件」があって、当時の住職と町の業者が結託して寺の杉を千三百本も売り飛ばすという大変な不祥事があったのです。割りばしみたいな木が飛ぶように売れた時代ですけど、千年もの年輪があるような杉を千三百本ですよ。昼なお暗い鬱蒼(うっそう)とした山がスッポンポンの山にされてしまったのです。いまでも切り株が取り除けずにそのままになっています。

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