「一人歩き続け、野に果てる人生を」 瀬戸内寂聴さん現世に別れ

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 作家として、尼僧として時代を駆け抜けた瀬戸内寂聴さんが9日、現世に別れを告げた。10月上旬に体調を崩して入院。一時退院後、再び入院していた。結婚、出産、駆け落ち、そして出家。99年の生涯で自身の生き方と重ね合わせた多くの小説、エッセーを発表する傍ら、社会的な運動にも積極的にかかわった。波瀾(はらん)万丈の人生は、小説に人間的な血肉を通わせ、多くの読者の共感を得た。

 瀬戸内さんが作家の地位を確立したのは、先駆的な女性文人たちの伝記小説だった。日本のフェミニズム文学の先駆者で、女の自由な愛のかたちを求めた田村俊子。漫画家の夫、岡本一平の寛容な愛を受けながら、別の男とも同居し、才能を開花させた岡本かの子。「美は乱調にあり」では、伊藤野枝と大杉栄を取り巻く複雑な愛と革命を描いた。共通するのは、日本女性に求められた道徳や因習にとらわれず、自我に目覚め、男を強く愛しな…

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