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9日に99歳で亡くなった作家で僧侶の瀬戸内寂聴(せとうち・じゃくちょう)さんが、自らの出家経験などを基に新解釈を加え現代語訳するなどした「源氏物語」。その最末尾となる「宇治十帖(じゅうじょう)」の舞台となった京都・宇治と、瀬戸内さんは縁を結んでいた。
瀬戸内さんは宇治市源氏物語ミュージアムの名誉館長を1998年の開館時から務め、名誉館長講座を2015年まで毎年1回開いていた。日本女性文学の継承・発展を目的に市などが主催する「紫式部文学賞」でも、1991年の第1回から2004年の第14回まで選考委員を担った。
「ミュージアムが宇治にあるのがいい。宇治川があり、山があり、宇治の風景は源氏の時代から変わっていないから」。瀬戸内さんがいつもこう語っていたのを、ミュージアムの家塚智子館長(51)は最も印象に残っている。「そう思って近くの宇治川の力強い流れを聞くと、物語の当時のことが自然に頭に浮かぶ。研究者としても読者としても世界が広がった」と振り返る。
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