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羽生結弦、浅田真央らが挑んできた「アクセル」 その名の由来とは

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2年前にクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を練習していた羽生結弦=イタリア・トリノのパラベラ競技場で2019年12月6日、貝塚太一撮影
2年前にクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)を練習していた羽生結弦=イタリア・トリノのパラベラ競技場で2019年12月6日、貝塚太一撮影

 フィギュアスケート男子で五輪2連覇中の羽生結弦(ANA)は、世界で誰も成功したことのないクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑戦している。かつては女子の伊藤みどり、浅田真央がトリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を切り札に活躍するなど、日本でもなじみの深い「アクセル」。その名称の由来とは。

 フィギュアスケートには、アクセルを含めて6種類のジャンプがある。アクセル以外は踏み切りも着氷も後ろ向きだ。唯一、前向きに踏み切って後ろ向きに着氷するアクセルは半回転多く、最も難易度が高いとされる。基礎点で比較すると、他の5種類の3回転ジャンプは4・20~5・90点だが、トリプルアクセルは8・00点。羽生が練習中のクワッドアクセルは12・50点となる。

 アクセルといえば、自動車を加速させる際に踏み込むペダルを連想しがちだが、関連はない。1882年にシングルアクセル(1回転半ジャンプ)を考案した男子選手、アクセル・パウルゼン(ノルウェー)の名が由来とされる。パウルゼンは1976年に世界殿堂の表彰制度が発足した際、最初に殿堂入りした一人だ。スピードスケートでも世界トップレベルの選手で、スピード用の靴でアクセルジャンプを跳んだという。

 他にも、アクセルに次いで基礎点が高い「ルッツ」は、男子のアロイス・ルッツ(オーストリア)が1913年に披露したことで名付けられた。安藤美姫が女子選手で世界初となる4回転を跳んだ「サルコウ」は、世界選手権の男子で10回も優勝したウルリッヒ・サルコウ(スウェーデン)が1909年に考案。いずれも発案者の名前から命名された。

 ジャンプ以外では、2006年トリノ冬季五輪女子金メダルの荒川静香が上体を反らしながら滑り、流行語にもなった「イナバウアー」も、1950年代に女子で活躍した西ドイツ(当時)のイナ・バウアーが披露したことが由来となった。【小林悠太】…

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