川辺川ダム容認「あの時期の表明、よかった」 熊本知事に聞く

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
インタビューに答える蒲島郁夫知事=熊本市で2021年11月5日午前11時1分、中村園子撮影
インタビューに答える蒲島郁夫知事=熊本市で2021年11月5日午前11時1分、中村園子撮影

 2020年7月の九州豪雨で氾濫した熊本県の球磨川の治水対策として、蒲島郁夫知事が支流の川辺川でのダム建設を容認すると表明してから19日で1年。熊本県の蒲島郁夫知事は11月5日、毎日新聞のインタビューに応じた。主なやり取りは次の通り。

 ――国や県などは2021年3月に球磨川水系の治水対策をまとめた「流域治水プロジェクト」を公表したが、流水型ダムや遊水地の整備の完了時期が見通せず、被災者からは不安の声も出ている。

 ◆(20年11月に)球磨川流域の治水の方向性を決断するにあたって、30回にわたって流域住民の意見を聞いた。「一日も早く安全な地域を作り上げてほしい」という意見と、「球磨川の清流を守ってほしい」という意見。つまり命と環境の両立を求める意見が多かった。また(県が設置した)「くまもと復旧・復興有識者会議」で出た「グリーンニューディール」の哲学を基に20年11月19日、「緑の流域治水」という方向性を表明した。

 21年7~10月に仮設団地を訪問して、「緑の流域治水」の考え方を説明してきた。その中で、「自分の住む場所が本当に安全なのか」「治水対策を早期にまとめてほしい」という意見があった。「それができるまで本当に安全なのか」「流域治水が全て完成するまで何をしたらいいのか」という意見や不安の声もあった。

 そういう意味では迅速に対策を進めていくことが最も重要だ。流域治水プロジェクトのメニューにある宅地かさ上げや遊水地、流水型ダムなどハード対策の効果が実際に表れるまでには一定の時間がかかる。球磨村では既に始めているが、(住民が加入する)水災補償が付帯した火災保険について、県が保険料を補助する制度がある。保険料の5分の1を県と村で負担している。八代市や芦北町でも同様の制度を検討中だ。そういう形で、「ダムが完成するまでの間に被災するのではないか」という不安に応えたい。

 その他に市町村や流域住民と協力して、避難体制の強化、命を守るためのソフト対策を進めていくことが大事だ。住民の理解と協力が得られるよう「緑の流域治水」プロジェクトの考え方や取り組み、進捗(しんちょく)状況などについて、さまざまな機会を設けて説明を尽くしていきたい。

 ――ダムの着工や完成時期は。

この記事は有料記事です。

残り1958文字(全文2895文字)

関連記事

あわせて読みたい

ニュース特集