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大学スポーツ365日

統計学から「押し」が重要なワケ 理詰めで日体大相撲部が頂点へ

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第99回全国学生相撲選手権大会団体戦で優勝し、斎藤一雄監督を胴上げする日体大の選手たち=堺市の大浜公園相撲場で2021年11月7日、北村隆夫撮影
第99回全国学生相撲選手権大会団体戦で優勝し、斎藤一雄監督を胴上げする日体大の選手たち=堺市の大浜公園相撲場で2021年11月7日、北村隆夫撮影

 約30年も前に相撲の技を統計学の観点で分析した論文を書いていた監督が、胴上げで3回宙を舞った。堺市で7日にあった第99回全国学生相撲選手権大会(インカレ)の団体戦で「絶対王者」の日大を破り、7年ぶり7回目の優勝を果たした日体大。元アマチュア横綱で医学博士、大学教授という異色の経歴を持つ斎藤一雄監督(53)は、精神論とは一線を画す、理論に基づく指導で頂点に導いた。

徳俵からの頂点

 インカレには「学生横綱」を決める個人戦と、5人による団体戦がある。堺市大浜公園相撲場での団体戦。日体大は1回戦から準々決勝までの4試合を、5人がすべて無敗で勝ち上がった。準決勝の相手は優勝最多30回を誇る日大。昨年の決勝は2―3で敗れたライバルの前に、先鋒(せんぽう)の3年生、石崎涼馬(21)に続き、二陣の3年生、モンゴル出身のバトジャルガル・チョイジルスレン(21)も敗れた。日大が3番手の中堅で起用してきたのは、6日の個人戦を制して学生横綱となった4年生の川副圭太(22)。絶体絶命のピンチに、日体大は3年生の中村泰輝(だいき、21歳)が土俵に上がった。

 中村は1年生の時に学生横綱に輝いたが、昨年は不調で主要タイトルから遠ざかった。「僕はまだ来年があるけど、4年生はこれで終わり。勝つしかない」。大一番に気持ちが入り過ぎ、立ち合いで1度、突っかけた。応援席から「大丈夫だ」の声が飛ぶ。2度目の立ち合い。鋭く左を差し込んできた川副に対し、中村は「がむしゃらに出た。前に出て負けたら仕方がない」と193センチ、175キロの大きな体を密着させて寄り立て、最後は上手投げで仕留めた。勢いづいた日体大は副将の4年生、今関俊介(22)、個人戦決勝で川副に敗れた大将の2年生、花田秀虎(20)も勝ち、決勝に進んだ。

 優勝8回の「西の横綱」近大との決勝は、石崎、チョイジルスレン、中村と先鋒から3連勝して頂点に。斎藤監督は選手一人一人と拳を合わせて喜びを分かち合い、涙声で「監督冥利に尽きます」と語った。追い詰められた準決勝で、中村が前に出たことから切り開いた優勝への道。斎藤監督にとっては、独自の指導理念が報われた瞬間だった。

「中途半端だった」

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