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11月19日は、「国際男性デー」だ。男性の健康に目を向け、ジェンダー平等を目指す日として注目され始めている。男性デーに合わせて電通総研が行った調査では、若い世代が上の世代よりも生きづらさを抱えていることが明らかになった。「男性学」を研究する多賀太・関西大教授は「男性のあり方を見つめ直す機会は重要」と訴える一方、「男性の“復権”のキャンペーンに利用されてしまう可能性もある」と警鐘を鳴らす。「男性の生きづらさ」とどう向き合っていくべきなのか。【中嶋真希/デジタル報道センター】
国際男性デーは、男性の健康や生き方を見つめ直す目的で1999年にカリブ海の島国トリニダード・トバゴで始まったとされ、昨今はフランス、カナダ、アメリカなど各地で活動が行われている。日本でも最近は、自治体で記念講演が行われるなどしているものの、3月8日の国際女性デーと比べると、盛り上がりはいまひとつ。毎日新聞の紙面に掲載された記事のデータベースを検索しても、「国際男性デー」という言葉が載ったのは、2019年のコラム1本のみ。一方、「国際女性デー」は89年が初出で、300本以上の記事があった。
「男子問題の時代?」(学文社)、「男らしさの社会学」(世界思想社)などの著書がある多賀教授は、日本で国際男性デーがあまり浸透していない理由について「ジェンダー問題は女性問題であるとの見方が支配的で、男性の問題でもあるという見方があまり浸透していないことが大きく関係しているのではないでしょうか」と指摘する。
ジェンダーを「自分ごと」と考えるための三つの視点
どうすれば、男性がジェンダーの問題を自分のこととして考えられるようになるのか…
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