「分配」アピール狙う経済対策、課題山積 埋没する「岸田カラー」

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
経済財政諮問会議で発言する岸田文雄首相(右から2人目)。右端は山際大志郎経済再生担当相=首相官邸で2021年11月19日午後4時47分、竹内幹撮影
経済財政諮問会議で発言する岸田文雄首相(右から2人目)。右端は山際大志郎経済再生担当相=首相官邸で2021年11月19日午後4時47分、竹内幹撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた過去最大規模の経済対策が決まった。「新しい資本主義」を掲げ、分配を重視する岸田文雄政権下で策定する初めての対策。柱は個人や家庭に対する数々の給付措置だ。長引くコロナとの闘いで疲弊した暮らしと経済を再生できるか。

個人・企業に給付金づくし 総額押し上げ

 「この経済対策をスピード感を持って執行していくことで、経済を一日も早く成長軌道に乗せていく」。岸田文雄首相は19日、経済対策を議論した経済財政諮問会議でこう強調した。

 日本経済を再び成長軌道に乗せるカギとなるのは、家計や企業に届ける給付金だ。

 その代表が、高校3年生までの18歳以下の子供に1人10万円相当を配る子育て世帯への支援。5万円分は既存の児童手当の仕組みを利用することによって、申請手続きなしで支給される「プッシュ型」。首相が強調する「スピード給付」を目指す。残る5万円分は子育て関連の商品やサービスに使えるクーポンとし、卒業・入学シーズンの来春までに追加支給する方向だ。

 ただし、18歳以下の子供全員がもらえるわけではない。ポイントは、線引きラインとなる「960万円」だ。

 政府・与党は今回、児童手当の所得制限を参考に、給付対象を「主たる生計者の年収が960万円未満」の世帯の子供に限定した。そのため、子供がいる家庭の1割程度は給付の対象外となる。

 この線引きに世間では「不公平」と不満の声も強い。「960万円」の基準が「主たる生計者」、つまり夫婦のうち年収の高い方で、世帯の合算ではないためだ。例えば、夫の年収が1000万円、妻が専業主婦で収入がないケースでは、給付を受けることができない。一方、共働きで2人の年収が各950万円の場合は、条件次第で給付対象となる。

 日本の共働き率が6割を超える中、この仕組みには自民党内からも「個人的には(世帯)合算して当然だ」(福田達夫総務会長)と異論が出たが、…

この記事は有料記事です。

残り2512文字(全文3312文字)

関連記事

あわせて読みたい

マイページでフォローする

ニュース特集