大山古墳 堤の内周部で埴輪の列を初めて確認 宮内庁第2回調査

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発掘調査が行われている大山古墳(仁徳天皇陵)=2019年6月6日、本社ヘリから山崎一輝撮影
発掘調査が行われている大山古墳(仁徳天皇陵)=2019年6月6日、本社ヘリから山崎一輝撮影

 宮内庁と堺市は19日、日本最大の前方後円墳で世界遺産の「大山(だいせん)古墳」(仁徳天皇陵、同市堺区)について、第2回発掘調査の様子を報道陣に公開した。墳丘を囲む三重の濠(ほり)のうち最も内側の堤(幅約30メートル)で、外周部と内周部に埴輪(はにわ)が2列に並んでいることが初めて確認された。専門家は、古墳本来の姿を知る手がかりの一つと評価している。

 大山古墳では2018年10~12月に第1回発掘調査が行われた。同じ堤の南東部を調べ、外周部に並んだ円筒埴輪や、同時期の古墳にはあまり見られない石敷きが確認されていた。

新たに発見された埴輪列=堺市堺区で2021年11月19日午前10時6分、梅田麻衣子撮影
新たに発見された埴輪列=堺市堺区で2021年11月19日午前10時6分、梅田麻衣子撮影

 今回の調査は10月から堤の北東部で実施し、計3カ所で溝(幅2メートル)を掘った。その結果、前回と同じく外周部で埴輪を見つけ、新たに内周部でも発見した。埴輪(直径約35センチ)は5世紀ごろのもので計約20個。石敷きも確認したほか、当時は木の柱が立っていたとも考えられる直径約25センチ、深さ約27センチの遺構(穴)が見つかったとしている。前回発見された焼夷(しょうい)弾の不発弾のような戦争遺物は確認されていない。調査は12月上旬まで続く。

 この日午後にあった研究者向けの公開で現場を訪れた日本考古学協会の岡林孝作理事は「内周部での埴輪発見は、堤の構造を知るうえで貴重な資料だ。前回見つからなかった原因は、濠の水で浸食されていたことが考えられる。今後も調査を積み重ね、古墳本来の姿が明らかになることを期待したい」と語った。

 大山古墳は宮内庁が仁徳天皇の墓として管理するが、学術的には仁徳天皇陵と確定していない。発掘調査は、古墳の保全を目指した将来的な護岸整備計画のため実施している。同庁の徳田誠志・陵墓調査官は「どのような護岸整備を施すかを考えるための意義のある発見」と評価した。

 調査現場の一般公開は予定されていないが、市博物館で出土品の展示会が検討されている。【園部仁史】

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