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今年10月、国の「エネルギー基本計画」が3年ぶりに改定された。「脱炭素」に向けた機運が国際的に高まる中で、温室効果ガスの排出を抑えられるとされる原子力をどの程度活用するかが焦点の一つだった。だが、内容を読み進めると思わず首をひねってしまう部分もある。【岩間理紀】
「温室ガスゼロ」後、初の見直し
新エネ基は、政府が昨秋に「2050年までに温室効果ガス排出実質ゼロ」を打ち出してから初の見直しとして注目を集めた。原子力については、11年3月に福島第1原発事故を引き起こした経験から、前回計画に続き「可能な限り依存度を低減する」と記載。しかし、総発電量に占める割合は30年度で「20~22%」としており、これまでと同じ目標を維持する“ちぐはぐ”な内容となっている。
「20~22%」の達成には原発30基程度の稼働が必要となる。だが、3・11後に引き上げられた原発の安全基準への対応に電力各社は苦慮しており、この10年で再稼働したのは6原発10基のみ。ただでさえ敷地内の断層問題などを抱え、国の審査が長引く原発が多い中で、「『目標達成』への見通しは厳しいのでは?」と率直に感じてしまう。
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