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壊滅作戦の行方

「工藤会」トップの野村悟被告に対する裁判と、警察と検察の「頂上作戦」に迫りました。

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壊滅作戦の行方

武道の達人100人が工藤会から市民を守る 福岡県警の保護対策

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2015年11月に初めて公開された福岡県警保護対策室の訓練の様子=北九州市小倉北区の県警グラウンドで
2015年11月に初めて公開された福岡県警保護対策室の訓練の様子=北九州市小倉北区の県警グラウンドで

 全国唯一の特定危険指定暴力団「工藤会」(北九州市)の壊滅を目指す「頂上作戦」で、福岡県警が取り締まりとともに力を入れてきたのが、暴力団の襲撃から市民を守る「保護対策」だ。8月に死刑判決を言い渡された工藤会トップで総裁の野村悟被告(75)が裁判長を威圧するような発言をしたことで、その存在感は高まっている。

 保護対策を担うのは、県警組織犯罪対策課の「保護対策室」だ。武道などにたけた約100人で構成。県警は詳細な配置や活動内容を明らかにしていないが、情報提供者や被害者、元組員などの保護対象者に全地球測位システム(GPS)付きの通報装置を渡すなどして24時間態勢で警戒を続けている。暴力団による民間襲撃の防止を目指す全国初の保護対策室は2013年3月に発足した。

 発足前は、工藤会の関与が疑われる市民襲撃事件が相次ぎ、12年8~9月には北九州市小倉北区で飲食店関係者やタクシー運転手が顔を切られるなどした。捜査を進めようにも報復の恐怖から事件関係者の協力が得られない悪循環が課題となり、保護対策を専門とする組織の必要性が高まった。

 しかし、順調な船出とはならなかった。県警が重点的に警戒していた対象者ではない、その家族や知人が狙われたのだ。

 その一つが…

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