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第5回全国高校eスポーツ選手権

スポーツを楽しむ高校生を応援し、文化として発展させていくことをテーマに開催される「全国高校eスポーツ選手権」の特集ページです。

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高校eスポーツ選手権 ゲーム界のけん引者の心動かした選手の言葉

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全国高校eスポーツ選手権への思いを語る尾崎健介氏=東京都千代田区で、手塚耕一郎撮影 拡大
全国高校eスポーツ選手権への思いを語る尾崎健介氏=東京都千代田区で、手塚耕一郎撮影

 2018年に始まった「全国高校eスポーツ選手権」(毎日新聞社など主催)。創設の思いに共感し、第1~3回選手権では主催や共催に名を連ね、第4回選手権でも特別協賛しているのが、ゲーミングPCメーカー「株式会社サードウェーブ」(東京都千代田区)だ。同社の尾崎健介社長(43)が同選手権への思いや日本のeスポーツ界の今後について語った。【杉本修作】

 尾崎氏は第1回選手権開幕当時をこう振り返った。「野球の『甲子園』のような場所を、高校生ゲーマーのために作りたかった」

 同社は1983年に創業し、ゲーミングPC「GALLERIA(ガレリア)」の製造・販売などを手がけるIT企業。尾崎氏は07年から同社の社長を務めている。ゲーム業界をけん引する一人として、若いゲーマーたちが活躍する場が少ないと感じていた。毎日新聞社が企画した同選手権の意義に賛同し、ここまで大会に携わっている。

 観客を入れたオフラインにより、千葉市の幕張メッセで開催された第1回選手権。勝利を喜び合う選手たちや、真剣勝負に熱狂する大勢の観客の姿を見て、尾崎氏は「期待していた以上の大会になった」と手応えを感じた。「優勝して喜ぶ高校生、負けて悔し泣きする生徒たちもいました。高校生たちの人間ドラマがあり、参加する人、見る人にとって、とてもいい大会になった」とも笑顔で言う。

 最も印象に残っているのが、第2回選手権。3対3のサッカーゲーム「ロケットリーグ(RL)」決勝で、鶴崎工(大分)―鹿島(佐賀)の対戦は勝敗がつかず延長に突入した。両者とも譲らず、終了間際のラストプレーで鶴崎工に劇的なゴールが生まれた。尾崎氏は「他にも数々の名場面があったが、一つ挙げるとすればこの場面」と興奮が今でもよみがえってくる。

 同じ第2回選手権で、陣取りゲーム「リーグ・オブ・レジェンド(LoL)」で優勝したN高(沖縄)の選手が壇上で「こういう場を設けてくれた大人たちに感謝します」とスピーチし、心動かされた。「高校生のためにという思いで応援してきたが、本当にやってよかったと思った瞬間だった」

 大会を重ねるにつれ、全国の高校でeスポーツ部が続々と誕生している。同社は部の立ち上げを目指す高校を支援するため、自社のゲーミングPCを貸し出すなどの「支援プログラム」を実施。高校生がゲームに打ち込める環境作りを支えてきた尾崎氏は「切磋琢磨(せっさたくま)することで、健全な教育にもつながっていく。eスポーツが教育現場に根付いていくことが大切」と思いを明かした。

 米国、韓国などに比べてまだまだ市場規模の小さい日本のeスポーツ界。尾崎氏は「野球にはリトルリーグから、高校、大学、社会人、プロに至るシステムがある。eスポーツも、有名なストリーマーが出てきたり、注目される大会も出てきたりしているが、まだまだ文化として成り立つ環境が確立されたとは言い難い」と指摘。「eスポーツシーンをさらに発展させていくため、PCメーカーとして、大会のプロデューサーとして、黒衣の役割を果たしていきたい」と力強く語った。

 今年9月に予選がスタートした第4回選手権の決勝大会は、フォートナイト(FN)部門が12月19日、RL部門が同25日に行われ、同26日のLOL部門で幕を閉じる。

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