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社会人野球日本一を決める第92回都市対抗野球大会(11月28日~12月9日)に関する特集サイトです。

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/5 ホンダ熊本、強さの秘密 「頭も洗えない」過酷な筋トレ

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都市対抗九州2次予選準決勝の沖縄電力戦で力投するホンダ熊本の福田大輔。ウエートトレーニングの効果もあって肩の故障から復活した=北九州市民球場で2021年10月1日午前10時38分、吉見裕都撮影
都市対抗九州2次予選準決勝の沖縄電力戦で力投するホンダ熊本の福田大輔。ウエートトレーニングの効果もあって肩の故障から復活した=北九州市民球場で2021年10月1日午前10時38分、吉見裕都撮影

 11月28日開幕の第92回都市対抗野球大会。出場全32チームの魅力を担当記者が伝えます。32回連載の5回目は大津町・ホンダ熊本。チームが強くなったワケを探りました。<次回は21日午後4時公開予定>

投手にけが人なく打率4割超

 右横手から投じたカットボールが狙い通りの軌道を描き、連続三振を奪った。「痛みなく投げられるのは幸せ」。ホンダ熊本の福田大輔投手(29)は、久しぶりに手応えのあるボールに思わず胸の中で叫んだ。都市対抗野球九州2次予選準決勝の浦添市・沖縄電力戦で三回から登板し、4回無失点で勝利に貢献。肩痛に苦しんだ福田の復活劇に、激戦区の九州で第1代表を獲得したホンダ熊本の強さの秘密が隠されていた。

 「今年は投手10人が、肩肘が痛いと言わず全員投げられていますね」。いつも快活な渡辺正健監督(52)は、選手層の厚い今年の投手陣について話すとさらに口調が軽くなる。福田は白鷗大から狭山市・ホンダに入社したが、肩痛もあって4年間くすぶった。2019年にホンダ熊本に移籍しても肩の状態は上向かなかった。引退を意識するシーズンが続いたが、今年は一転、欠かせない戦力になった。

 福田が痛みから解放された裏には何があるのか。渡辺監督はニヤリと笑い、こう解説した。「想像を絶するウエートトレーニングですよ。都市対抗予選は最大7連戦。それを戦い抜くには体作りを徹底しないといけません」

 08~13年まで監督を務めた渡辺監督は19年11月に復帰すると、すぐさま1日3時間のウエートトレーニングを課した。冬場、選手たちは熊本県大津町のグラウンド脇にあるトレーニングルームにこもった。ベンチプレスやレッグプレス、スクワットのほか、ルームの外にはうんていがあり、懸垂もメニューにあった。

 20年冬はトレーニング時間を短くしたものの、年間を通して週に2回程度、継続している。結果は数字に表れた。ウエートトレーニングはほぼ未経験だった福田は、ベンチプレスを150キロ上げるようになった。渡辺監督は「トレーニングを倍以上に増やしました。上げられる重さはチーム平均で1・3~1・4倍になりました」とうなずく。

 重いものを持ち上げられるようになると、肩や肘の痛みが消えるのか。契約トレーナーの繁井孝之さん(49)は…

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