大谷翔平、今季の記録では「無冠」 MVP受賞がもたらす意義とは

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米大リーグのア・リーグMVPに選ばれた大谷翔平=2021年10月3日撮影、AP
米大リーグのア・リーグMVPに選ばれた大谷翔平=2021年10月3日撮影、AP

 米大リーグ・エンゼルスの大谷翔平(27)が18日(日本時間19日)、ア・リーグ最優秀選手(MVP)に史上19人目の満票で輝いた。米国でも早くから当然視されていたMVP受賞だが、今季の記録だけを見ると大谷は主要部門のタイトルが一つもない「無冠」でもある。MVP選出の背景と、受賞がもたらす意義とは。

勝利貢献度メジャートップ 人気回復に貢献

 エースとしてチーム最多9勝を挙げ、打者では最後まで本塁打王を争ってリーグ3位の46本塁打を放つ――。米国で「野球の神様」として愛されるベーブ・ルース以来となる本格的な二刀流で大谷が残したのは、現代野球では考えられない鮮烈なヒーロー像だ。

 大谷の今季成績だけを見ると、勝利数、本塁打、打点など投打の主要部門で1位記録はない。チームも77勝85敗と負け越し、西地区4位に沈んだ。

 ただ、MVPは「Most Valuable Player(最も価値ある選手)」を略したもの。MVPに投票する全米野球記者協会の記者たちが考える「価値」の解釈はさまざまだ。

 例えば投票記者たちも参照するデータに勝利貢献度を示す「WAR」(Wins Above Replacement)という指標がある。打撃、守備、走塁、投球を計算式で総合的に評価し、そのポジションの代替可能選手と比較してどれだけ勝利を積み上げたかを表すものだ。最も信頼度が高いとされるデータサイト「ベースボール・リファレンス」版で、今季の大谷は9・1とメジャー全体のトップだった。

 ア・リーグのMVP最終候補と比較しても、セミエンが3位の7・3、ゲレロが6位の6・8。8・0でMVP級、5・0でオールスター級という指標において、大谷のように投手と打者の数値が加算されること自体が「規格外」ということの証明に他ならない。

 メジャーでは、出塁率と長打率を足した「OPS」も重視されている。攻撃面での貢献度を表すもので、大谷の9割6分5厘は、ゲレロの10割2厘に次ぐリーグ2位。「打撃のベストナイン」に相当するシルバースラッガー賞に指名打者で選ばれた大谷は、打撃面だけをみても超一流と認められている。

 歴史を変えた大谷の存在は、記録や結果などの数字では表せない評価も多い。

 今季オールスター戦では、大谷のために指名打者を解除…

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