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『ケアマネジャーはらはら日記』=手塚マキ

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『ケアマネジャーはらはら日記』
『ケアマネジャーはらはら日記』

 この本には私たちの未来が描かれている。私の親の話であり、私の話であり、知らなければならない現実の話だ。

 『ケアマネジャーはらはら日記』(岸山真理子著・三五館シンシャ・1430円)の著者はこの道21年のベテランだが、自分を「成長できていない」と振り返る。読み進めると、確かに介護職とはある意味で成長のしようがない職業なのだとわかる。なぜなら、常に違う人を相手にしないといけないからだ。いつだって一人一人に向き合い、新しい関係を作らなければ成り立たない。本書にも、首をくくるのを手伝ってほしい、生活保護を受けたくないなど、様々な人が登場する。考え方も生い立ちも違う人々に、個別に対応するのが介護なのだ。だからこそ、絶対の正解がない。

 ホストクラブでもマニュアルは基本的にない。お客様は一人一人違うし、対応するホストも一人一人違う。先輩が後輩に指導をしても、それぞれの感覚で接客する。なぜならホストクラブは、完全な個人売上制だからだ。先輩の言うことを聞いて失敗しても自分の身に降りかかってくる。そしてホストの場合は、正解ではない行動をとっても、自分の稼ぎが減るだけで命にかかわるようなことはない。

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