- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

(東京大学出版会・5940円)
地球温暖化の影響で、豪雨による大洪水は珍しくなくなった。10月には、東京都足立区などで震度5強を観測する地震があった。いつどこで災害が起きてもおかしくない中、東京大大学院准教授で災害情報論を専門とする著者が、東日本大震災を通じて見えてきた防災の教訓を、整理しながら伝えている。身近なテーマだけに、専門的な分析も含め、防災に携わる人に限らず親しめる。
震災直後、車による避難を問題視する報道が目立った。渋滞で逃げられなかったり、エコノミークラス症候群を発症する恐れがあったりしたからだ。ところが、岩手県洋野町(ひろのちょう)などの被災地では渋滞がなく、助かった命があった。決して「車による避難=悪」ではない。著者は、その土地の過去の災害を踏まえ、どう逃げるのか徹底的に議論すべきだと説く。
この記事は有料記事です。
残り139文字(全文499文字)