ソ連崩壊30年

2民族、憎しみの連鎖(その1) ナゴルノカラバフ争奪

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戦闘によって一部が損壊したままの建物=ナゴルノカラバフのシュシャで2021年、前谷宏撮影
戦闘によって一部が損壊したままの建物=ナゴルノカラバフのシュシャで2021年、前谷宏撮影

 1991年のソ連崩壊により15の構成国が独立したが、共産党体制下で抑え込まれていた民族や国境を巡る争いも噴出し、多くは今も解決していない。係争地ナゴルノカラバフを巡るアゼルバイジャンとアルメニアの紛争もその一つ。90年代に本格化した紛争では、双方で推定3万人、2020年秋に再発した紛争でも7000人以上の犠牲者が出た。なぜ争いは続くのか。現地を歩くと、二つの民族の間で続く憎しみの連鎖が見えてきた。

 ナゴルノカラバフ第2の都市シュシャは、20年秋の紛争でアルメニア人勢力からアゼルバイジャンが28年ぶりに奪い返した街だ。記者が訪れたのは今年7月末。小銃を手にした兵士が警戒に当たる中、多くの労働者が復興作業を続けていた。一般市民の帰還はまだ許されていない。停戦から8カ月がたっても、多くの建物の屋根やガラスは壊れ、壁には銃弾の痕が残ったまま。激しい戦闘が繰り広げられた様子がうかがい知れた。

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