SNSで拡散「ツバル水没は温暖化とあまり関係ない」は根拠不明
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太平洋の島国ツバルが気候変動による水没の危機を訴えていることを巡り、作家の竹田恒泰氏がツイッターで「『温暖化』とあまり関係がない」とした投稿が拡散している。しかし、この投稿は根拠不明だ(ファクトチェックの判定基準)。【宇多川はるか/デジタル報道センター】
国立環境研「明らかな誤り」
竹田氏は11月10日、時事通信が配信しヤフーに掲載された「ツバルのコフェ外相がロイター通信のインタビューで、気候変動の結果、国土が水没した後も国家としての承認を維持する法的方法を検討していると明らかにした」とのニュースを引用する形で、以下のようにツイッターに投稿した。
<ツバルの水没は「温暖化」とあまり関係ない。ツバルは地盤沈下しているうえ、標高の低い島は浸食される運命にある。世界の海面上昇よりも早い速度で沈降しているのだから、気候変動とあまり関係ないのは明らか>
竹田氏は明治天皇の玄孫としても知られ、「語られなかった皇族たちの真実」(小学館)で第15回山本七平賞を受賞。他にも多数の著書がある。ツイッターアカウントのフォロワーは、24日現在で57・8万人。このツイートは約1700回リツイートされ、約8300件の「いいね」がついている。竹田氏は、同様の内容をフェイスブックにも投稿している。
これに対し、国立環境研究所の「対話オフィス」のアカウントが、竹田氏のツイートを引用した上で、以下のツイートを連投した。
<研究者に聞いたところ、これは“誤り”とのこと 論文(※)によると、首都のあるフナフティ島の沈下速度は0・03mm/年。海面上昇の速度は数mm/年と桁が違い、→>
<地盤沈下よりも海面上昇の速度の方がはるかに大きいそう(以下略…
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