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アフガン政権崩壊

イスラム主義組織タリバンが2021年8月15日、首都カブールを制圧し、勝利宣言。ガニ政権が崩壊しました。

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アフガン女性へ真の支援を タリバン=悪では解決しない/彼らの価値観に寄り添って

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アフガニスタンの首都カブールで、女性の人権を守るよう抗議する女性たち=10月、ロイター
アフガニスタンの首都カブールで、女性の人権を守るよう抗議する女性たち=10月、ロイター

 女性の人権は守られるのか。イスラム主義組織タリバンが約20年ぶりに政権を掌握したアフガニスタンを、国際社会が注視している。前回の政権時に「女性への抑圧」が批判を浴びたからだ。しかし、現地で支援してきた日本の関係者らに聞くと、「タリバンは悪」という単純な図式では語りきれない複雑な事情が見えてきた。

 「私は女性に対する暴力と闘いたい。自分には何もできなかったけれど、他の女性の助けになりたい」。警察官になったばかりのあるアフガン人女性は、仕事を選んだ理由をそう力強く語ったという。女性は伯父から性的関係を要求され、兄からも殴る蹴るの暴行を受けていた。

 国際協力機構(JICA)の国際協力専門員、久保田真紀子さんは2014~19年度、アフガンの新人女性警察官を対象にトルコで行われたJICAの研修で講師を務めた。今年8月のアフガン政権崩壊後、研修の参加者から「日本に行きたい」と助けを求めるメッセージが届いたが、しばらくして連絡が途絶えた。「彼女たちはどうなってしまうのでしょうか」。久保田さんは表情を曇らせる。

 日本はアフガンの主要支援国の一つで、前回のタリバン政権が崩壊した01年以降、計約69億ドルを支援してきた。女性警察官の研修も、日本が拠出する国連開発計画(UNDP)が管理する信託基金が使われた。半年で捜査の基礎を学び、JICAはうち4日間程度、暴力被害への対応力を養う研修を担った。アフガンでは家族からの暴力にさらされる女性が多いからだ。14~19年度で20代を中心とする計約1500人が学んだ。

 女性警察官の多くは、…

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