寄稿

連載小説『無月の譜』を終えて 若者の再生への探索 松浦寿輝(作家)

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松浦寿輝さん=山下浩一撮影
松浦寿輝さん=山下浩一撮影

 本紙朝刊に連載した長篇(ちょうへん)小説『無月の譜』が、さる十一月十六日掲載の第三三六回をもって完結した。まる一年弱にわたってお付き合いくださった読者の方々に心からお礼申し上げたい。

 これは太平洋戦争末期のシンガポールで戦死した大叔父の足跡をめぐって探索の旅に出た、一青年の物語である。大叔父は将棋駒作りの職人で、この世に自分の作品をたったひと組だけ遺(のこ)していた可能性がある。さて、青年ははたしてそれを発見できるかどうか。

 連載中、自分は将棋にも将棋駒にも知識はなく、じつはあまり興味もないけれど、それでも案外面白く読んでいますという感想を、けっこう多くの方々からいただけたのが嬉(うれ)しく、それを励みに最終回まで何とか書ききることができた。

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